会計監査とは、企業が経営成績や財政状態及びキャッシュ・フローの状況を把握するために必要な処理を行い報告することです。
会計監査とは?
会計監査とは何ですか?
会計監査とは、会社が作成した財務諸表に対し、第3者が行う監査のことです。
企業が、会計監査を行う目的は何ですか?
会計監査の目的は、会社が作成した財務諸表が適正に表示されているかどうかに対して会計監査人が意見を表明することになります。
会計監査人の意見があることで、投資家は会社の財務情報を信頼することができます。
会計監査の種類
会計監査には、監査の目的別に以下の3種類があります。3種類についてそれぞれ以下で紹介していきます。
- 外部監査
- 内部監査
- 監査役監査
外部監査
外部監査は、外部監査は、会社法と金融商品取引法によって実施が義務づけられています。
外部監査は、会社法により「会社法監査」と金融商品取引法による「金融商品取引法監査」に分けられます。
「会社法監査」では、株主や債権者などの利害関係者の保護を目的とし、企業作成の計算書類とその付随明細書が適正であるかを公認会計士又は、監査法人が監査する手続きになります。
「金融商品取引法監査」では、会計監査と内部統制監査の実施を求めていて、目的が投資家保護になります。有価証券報告書の提出会社、つまり上場企業などで、公認会計士または監査法人が、会計監査と内部統制監査を実施します。
内部監査
内部監査とは、企業の内部で自主的に実施される監査になります。企業内部の状態を確認することで、経営に活かすことを目的としています。
企業で選出された監査担当者や管理者、経営者が、会社全体において法令や社内規程が守られているかどうかを確認します。また、業務活動の実施要領などもチェックし、不正が行われていないかどうか、効率化などの改善点があるかどうかなども監査の対象になります。
監査役監査
監査役監査とは、監査役が取締役の職務を監査する業務監査になります。
監査役の職務は、取締役の職務の執行を監査することです。監査役は、取締役の決定事項に違法性がないか、職務執行に問題はないかを確認します。
また、監査役は業務及び財産の状況を調査できるとされており、監査役は業務監査と会計監査を実施できる監査人になります。
会計監査の流れ(会社法監査)
ここで、会社法監査における会計監査の流れを紹介します。
監査には期間で分けた場合、期中監査と期末監査があります。期中監査は期末前に行われます。なお、企業の実情によって行う時期は異なります。また、3月末決算の企業は4月や5月に期末監査が実施されます。ここでは、「期末監査における会計監査の流れ」を紹介します。
年次決算時に作成する「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算表」「個別注記表」の書類に対して会計監査が行います。 その後、会計監査人から、特定取締役に「監査報告書」が通知されます。
特定取締役に監査報告の内容が通知された後、外部の監査役あるいは監査役会が計算書類や附属明細書について監査を行います。
なお、取締役会を設置している企業は、監査を受けた計算書類と附属明細書について取締役会で承認が必要になります。
会計監査に関する問題(令和5年問52)
会計監査の目的として,最も適切なものはどれか。
ア. 経理システムを含め,利用しているITに関するリスクをコントロールし,ITガバナンスが実現されていることを確認する。
イ. 経理部門が保有しているPCの利用方法をはじめとして,情報のセキュリティに係るリスクマネジメントが効果的に実施されていることを確認する。
ウ. 組織内の会計業務などを含む諸業務が組織の方針に従って,合理的かつ効率的な運用が実現されていることを確認する。
エ. 日常の各種取引の発生から決算報告書への集計に至るまで,不正や誤りのない処理が行われていることを確認する。
出典:令和5年度 ITパスポート試験公開問題 問52
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ア. 経理システムを含め,利用しているITに関するリスクをコントロールし,ITガバナンスが実現されていることを確認する。
不正解です。
イ. 経理部門が保有しているPCの利用方法をはじめとして,情報のセキュリティに係るリスクマネジメントが効果的に実施されていることを確認する。
不正解です。
ウ. 組織内の会計業務などを含む諸業務が組織の方針に従って,合理的かつ効率的な運用が実現されていることを確認する。
不正解です。
エ. 日常の各種取引の発生から決算報告書への集計に至るまで,不正や誤りのない処理が行われていることを確認する。
正解です。
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