「キャッシュメモリ」「NFC」の解説

2020年12月13日

キャッシュメモリとは?

「キャッシュメモリ」とは、 マイクロプロセッサ(MPU/CPU)内部に設けられた高速な記憶装置であり、使用頻度の高いデータを蓄積することで、相対的に低速な主記憶装置へのアクセスを減らし、処理を高速化できます。

「キャッシュメモリ」は、プロセッサのICチップの一部に、読み書き可能な半導体メモリを集積し、プログラムの実行のためにメインメモリから読み込んだ命令やデータを一時的に保管します。処理回路内に設けられたレジスタより低速であるが、メインメモリより高速にアクセスできます。なお、容量はレジスタよりも多いです。

プロセッサは、容量や速さの異なる2~3段階のキャッシュメモリを搭載している場合があります。その場合、プロセッサ近くに、高速で容量の少ない方から順に「1次キャッシュ」・「2次キャッシュ」・「3次キャッシュ」と言われます。プロセッサは、まず、「1次キャッシュ」にデータが無いか探し、無ければ「2次キャッシュ」、さらに無ければ「3次キャッシュ」というように順番に探します。

キャッシュメモリに関する問題

◆確認問題

CPUに搭載された1次と2次のキャッシュメモリに関する記述のうち,適切なものはどれか。
   ア.  1次キャッシュメモリは,2次キャッシュメモリよりも容量が大きい。
   イ.  2次キャッシュメモリは,メインメモリよりも読み書き速度が遅い。
   ウ.  CPUがデータを読み出すとき,まず1次キャッシュメモリにアクセスし,データが無い場合は2次キャッシュメモリにアクセスする。
   エ.  処理に必要な全てのデータは,プログラム開始時に1次又は2次キャッシュメモリ上に存在しなければならない。

出典:平成30年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問65

◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:容量の大きさは、「1次キャッシュ<2次キャッシュ」になります。
  • イ:「2次」でもキャッシュメモリであることに変わりはありません。そのため、主記憶装置より高速になります。
  • ウ:正解です。CPUは自身に近いキャッシュから順にデータを探します。
  • エ:「キャッシュメモリ」は一度使用された(今後使用されそうな)データが格納される場所です。プログラム開始時に、キャッシュメモリ上に全てのデータが存在している必要はありません。

NFCとは?

「NFC」とは、「Near Field Communication」の略であり、近距離無線通信を意味し、非接触ICチップを利用してかざすだけで通信ができる通信規格のことです。

「NFC」に関する詳細解説、関連問題に関しては、下記リンク先も参照下さい。

NFCに関する問題

◆確認問題

NFCに関する記述として,適切なものはどれか。
   ア.  10cm程度の近距離での通信を行うものであり,ICカードやICタグのデータの読み書きに利用されている。
   イ.  数十mのエリアで通信を行うことができ,無線LANに利用されている。
   ウ.  赤外線を利用して通信を行うものであり,携帯電話のデータ交換などに利用されている。
   エ.  複数の人工衛星からの電波を受信することができ,カーナビの位置計測に利用されている。

出典:平成30年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問66

◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:正解です。
  • イ:NFCの通信範囲は10cm程度です。そのため、無線LANには使用できません。
  • ウ:「IrDA(Infrared Data Association)」に関する記述になります。NFCは、13.56MHzの電波を用います。
  • エ:「GPS(Global Positioning System)」に関する記述になります。