ニューラルネットワークとは、人間の脳内にある神 経細胞(ニューロン)とその繋がり、つまり、神経回路網を人工ニューロンという数式的なモデルで表現したものです。
ニューラルネットワークとは?
ニューラルネットワークとは何ですか?
ニューラルネットワークとは、人間の脳内にある神 経細胞(ニューロン)とその繋がり、つまり、神経回路網を人工ニューロンという数式的なモデルで表現したものです。
ニューラルネットワークの実用例を教えてください!!!
ニューラルネットワークはデータから学習することができます。そのため、音声や映像、制御システムにおけるデータ識別・分類やパターン認識に向いています。
時系列予測やモデリングにも活用できるので、未来の予測といった場面でもニューラルネットワークが採用されています。
ニューラルネットワークの仕組み
ニューラルネットワークがどのように働くのか仕組みを大まかに紹介していきます。
ニューラルネットワークのプロセスは、大きく分けて「入力」「伝播」「出力」の3工程あります。各工程の流れは次の通りです。
「入力」の段階では、入力層に画像、ビデオ、音声、テキストなどのデータを入力します。
「伝播」のステップでは、次の層に伝達されますが、伝播での処理は主に2つあります。
1つ目は前の層のノードの出力値と、それに対応する重みの値を掛け合わせて計算値を算出し「重みづけ和」として和を計算します。
2つ目は、計算された重みづけ和を活性化関数に通し、出てきた値を最終的な出力値として、次の層に伝達する処理です。ネットワーク内の出力層に到達するまで伝播処理が続きます。
「出力」で、出力層によって出力されます。出力層の結果は、ニューラルネットワークの学習に用いられる場合もあります。
ニューラルネットワークとAI
ニューラルネットワークは、AIや機械学習において重要な要素になります。AIには、タスク特化型や対話型など多数の種類がありますが、すべてニューラルネットワークが備わっています。ニューラルネットワークはAIや機械学習における頭脳になります。
なお、近年AIが急速に進化を遂げた要因として、ニューラルネットワークの進歩が挙げられます。
ニューラルネットワークの2種類の学習
ニューラルネットワークにおける学習パターンには、2種類あります。ここでは、「教師あり学習」と「教師なし学習」それぞれの特徴について紹介していきます。
教師あり学習
「教師あり学習」とは、人間が事前に用意した正解データを基にAIに学習させる方法になります。トレーニングデータや教師データなどと呼ばれる正解データの学習と、認識・予測という2段階のプロセスで構成されています。システムの不正行為の検出や製品のパーソナライズといった、正解・不正解が明確な問題の解決に使われる学習方法になります。
教師あり学習の代表的なアルゴリズムとしては「分類」と「回帰」があります。「分類」は、正解データの例から、新しい対象を分類するアルゴリズムを学習する方法で、「回帰」は、出力変数と1つ以上の予測(入力)変数との間の関係を記述する方法になります。
教師あり学習の方が学習精度は高くなるため、基本的には多くの用途で教師あり学習が用いられています。なお、ディープラーニング(深層学習)は、教師あり学習を発展させた例です。
教師なし学習
教師あり学習の対である「教師なし学習」は、正解データがない状態でAIに学習させる方法になります。ニューラルネットワークに新しい入力データを継続的に学習させ、自然な分布やカテゴリ関係の発見など入力データから推論を導き出す目的で用いられます。
教師なし学習の代表的なアルゴリズムは、「クラスタリング」と「次元削減」の2つです。クラスタリングは、探索的データ分析からパターンやグループ構造を発見する方法で、遺伝子配列解析、市場調査、物体認識などに利用されています。
次元削減は、データの次元数を減らすことで、データの特徴を示す情報を抽出する方法です。各科目のテストの点数から生徒が文系か理系かを判断するなど、本質的な情報を導き出す用途に向いています。
機械学習とディープラーニングの違い
ここで、機械学習とディープラーニングの違いを紹介していきます。機械学習とは、ニューラルネットワークの学習モデルを活用する分野です。
一方、ディープラーニング(深層学習)は、層を深くしたニューラルネットワークを使った機械学習の手法になります。ディープラーニングではニューラルネットワークの層が多い分、学習コストが上がりますが、従来では対応できなかった複雑な問題が解ける可能性を秘めています。
なお、ディープラーニングは、入力データから直接特徴を抽出し学習できる機械学習技術です。自動翻訳や音声認識といった複雑な識別が必要とされる分野に適しています。また、ADAS(先進運転支援システム)や交通標識認識など、自動運転技術に関するタスクでも利用されています。
ニューラルネットワークに関する問題(令和5年問74)
ニューラルネットワークに関する記述として,最も適切なものはどれか。
ア. PC,携帯電話,情報家電などの様々な情報機器が,社会の至る所に存在し,いつでもどこでもネットワークに接続できる環境
イ. 国立情報学研究所が運用している,大学や研究機関などを結ぶ学術研究用途のネットワーク
ウ. 全国の自治体が,氏名,生年月日,性別,住所などの情報を居住地以外の自治体から引き出せるようにネットワーク化したシステム
エ. ディープラーニングなどで用いられる,脳神経系の仕組みをコンピュータで模したモデル
出典:令和5年度 ITパスポート試験公開問題 問74
正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!
ア. PC,携帯電話,情報家電などの様々な情報機器が,社会の至る所に存在し,いつでもどこでもネットワークに接続できる環境
不正解です。
イ. 国立情報学研究所が運用している,大学や研究機関などを結ぶ学術研究用途のネットワーク
不正解です。
ウ. 全国の自治体が,氏名,生年月日,性別,住所などの情報を居住地以外の自治体から引き出せるようにネットワーク化したシステム
不正解です。
エ. ディープラーニングなどで用いられる,脳神経系の仕組みをコンピュータで模したモデル
正解です。
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