「ファイルパスの指定」「CPUのクロック周波数」「表計算ソフトの計算式」の解説
絶対パス・相対パスとは?
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「パス(Path)」とは、日本語で「経路」のことであり、目的のファイルがどこのフォルダに保存されているかを示す道順です。
「絶対パス(absolute path)」とは、フルパスとも呼ばれ、ルートディレクトリと呼ばれる階層構造の頂点から、目的地までの経路を表します。ユーザがどのフォルダで、作業中であっても、常に同じスタート地点から、常に同じ経路の表示になります。
「相対パス(relative path)」とは、ユーザが作業しているフォルダから目的地なでの経路を表します。絶対パスとは違い、作業中の地点(スタート地点)が異なると、目的地までの経路も異なります。
ファイルパスに関する問題
◆確認問題
Webサーバ上において,図のようにディレクトリd1及びd2が配置されているとき,ディレクトリd1(カレントディレクトリ)にあるWebページファイル f1.html の中から,別のディレクトリd2にあるWebページファイル f2.html の参照を指定する記述はどれか。ここで,ファイルの指定方法は次のとおりである。
〔指定方法〕
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問96
(1):ファイルは,"ディレクトリ名/…/ディレクトリ名/ファイル名"のように, 経路上のディレクトリを順に“/”で区切って並べた後に“/”とファイル名を指定する。
(2):カレントディレクトリは“.”で表す。
(3):1階層上のディレクトリは“..”で表す。
(4):始まりが“/”のときは,左端のルートディレクトリが省略されているものとする。
ア ./d2/f2.html
イ ./f2.html
ウ ../d2/f2.html
エ d2/../f2.html

◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・解説は、次の通り。
確認問題では、「相対パス」でのファイル指定が問われています。
ファイル“f1.html”は、d1の配下にあるので、「d1→ルート→d2 」という経路で、ディレクトリをたどる必要があります。従って、この順に沿ってパスを考えます。
① 「d1」から見ると、「ルート」は1階層上に位置するため、「d1からルート」を指定するパスは、「../」になります。
②「d2」は、ルート配下にあるため、「d1からd2」を指定するパスは、①の「../」に"d2″を加えた「../d2」になります。
③ファイル"f2.html"は、「d2」の配下にあり、"f1.html"の文書内で、"f2.html"を参照するため、記述すべきパスは「../d2/f2.html」(ウ)になります。
クロック周波数とは?
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「クロック周波数」とは、クロックと呼ばれる回路が処理の歩調を合わせるために用いる信号が、1秒間に何回発生するかを示す値のことです。 一般的に、CPUのクロック周波数が高いほど、CPUの処理速度が早く、CPUの性能は高いと言われています。
ここで、クロック周波数の単位を紹介します。
- 「1Hz」:1秒あたりに1回(クロック)
- 「1KHz」:1秒あたりに1000回(クロック)
- 「1MHz」:1秒あたりに100万回(クロック)
- 「1GHz」:1秒あたりに10億回(クロック)
- 「1THz」:1秒あたりに1兆回(クロック)
クロック周波数に関する問題
◆確認問題
PCのCPUに関する記述のうち,適切なものはどれか。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問97
ア. 1GHzCPUの"1GHz"は,そのCPUが処理のタイミングを合わせるための信号を1秒間に10億回発生させて動作することを示す。
イ. 32ビットCPUや64ビットCPUの"32″や"64″は,CPUの処理速度を示す。
ウ. 一次キャッシュや二次キャッシュの"一次"や"二次"は,CPUがもつキャッシュメモリ容量の大きさの順位を示す。
エ.デュアルコアCPUやクアッドコアCPUの"デュアル"や"クアッド"は,CPUの消費電力を1/2,1/4の省エネモードに切り替えることができることを示す。
◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア:正解です。
- イ:CPUのビット数は、そのCPUが一度に演算できるビット数を示します。32ビットCPUが2度に分けて行う演算を64ビットCPUでは一度で行うことができます。クロック周波数が同じCPUであれば、ビット数の多いCPUが処理能力が高くなります。
- ウ:キャッシュメモリの次数は、複数のキャッシュメモリの搭載している場合、キャッシュメモリとCPUの論理的な近さを示します。(1次キャッシュがCPUにもっとも近く、2次、3次のように次数が上がるに従い、CPUから遠くなります。)一般的にCPUに近い位置にあるキャッシュメモリほど、高速かつ小容量のものが使用されます。
- エ:マルチコアCPUにおいて1つのプロセッサ内に搭載されているコア数として、"デュアル"や"クアッド"で示されます。("デュアル"は2個、"クアッド"は4個、"オクタ"は8個です。)
表計算ソフトの計算式の関数とは?
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表計算ソフトにおいて、「IF関数」は、次の計算式で表せます。「=IF(論理式, [論理式の値が真の場合の処理],[論理式の値が偽の場合の処理])」
「論理積」は、次の計算式で表せます。「=AND(論理式1, 論理式2, 論理式3, … )」論理式全てが真(True)の場合、真(True)で返します。それ以外は、偽(false)を返します。
「論理和」は、次の計算式で表せます。「=OR(論理式1, 論理式2, 論理式3, … )」論理式のうち、少なくとも1つが真(True)の時に真(True)を、それ以外は、偽(false)を返します。
表計算ソフトの計算式の関する問題
◆確認問題
表計算ソフトを用いて,二つの科目X,Yの成績を評価して合否を判定する。それぞれの点数はワークシートのセル A2,B2 に入力する。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問98
合計点が120点以上であり,かつ,2科目とも50点以上であればセルC2 に“合格”,それ以外は“不合格”と表示する。
セル C2 に入れる適切な計算式はどれか。
ア. IF(論理積((A2 + B2)≧ 120, A2 ≧ 50 , B2 ≧ 50), ‘合格’ , ‘不合格 ‘)
イ. IF(論理積((A2 + B2)≧ 120, A2 ≧ 50 , B2 ≧ 50), ‘不合格’ , ‘合格 ‘)
ウ. IF(論理和((A2 + B2)≧ 120, A2 ≧ 50 , B2 ≧ 50), ‘合格’ , ‘不合格 ‘)
エ. IF(論理和((A2 + B2)≧ 120, A2 ≧ 50 , B2 ≧ 50), ‘不合格’ , ‘合格 ‘)
A | B | C | |
1 | 科目X | 科目Y | 合否 |
2 | 50 | 80 | 合格 |
◆確認問題の解答(ア)、解説・・・解説は、次の通り。
“合格"と表示する条件は、科目X(A2)と科目Y(B2)の合計点が120点以上、かつ、2科目とも50点以上であることから、すべての条件が真(True)で返せる「論理積(AND)」で評価すればよいです。「論理積関数」が真(True)を返すときは、"合格"と表示する条件を満たす時のため、「IF関数」で、次の通り表せます。 「IF(論理積((A2 + B2)≧ 120, A2 ≧ 50 , B2 ≧ 50), ‘合格’ , ‘不合格 ‘)」
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