「労働派遣契約」「営業利益と経常利益(計算問題)」「IoT」の解説
労働派遣契約とは?
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「労働派遣契約」とは、派遣会社(派遣元)と雇用契約を結んでいる派遣労働者が、労働者派遣契約を結んでいる 派遣先企業の指揮命令の下で業務に従事できるようにした労働契約のことです。
派遣先企業は、派遣労働者から労務の提供を受け派遣企業(派遣元)に派遣料金を支払います。さらに、派遣企業(派遣元)は、派遣労働者へ賃金を支払います。
また、派遣先企業と派遣労働者との間には、指揮命令関係があり派遣先企業が、派遣労働者に対して仕事の指示や、服務指導等を直接行うことは可能です。しかしながら、雇用契約は派遣労働者と派遣会社(派遣元)との間にあるため、派遣先企業が派遣労働者に対して、「選考し受け入れの決定」、「就業場所の異動命令」、「昇給などの賃金決定」、「契約更新、終了の意思確認」は、できません。
労働派遣契約に関する問題
◆確認問題
労働派遣者に基づき, A社Y氏をB社へ派遣することとなった。このときに成立する関係として, 適切なものはどれか。
出典:令和元年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問1
ア. A社とB社との間の委託関係
イ. A社とY氏との間の労働派遣契約関係
ウ. B社とY氏との間の雇用関係
エ. B社とY氏との間の指揮命令関係
◆確認問題の解答(エ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア:A社(派遣元企業)とB社(派遣先企業)の間には派遣契約関係が成立します。
- イ:A社(派遣元企業)とY氏(派遣労働者)の間には雇用関係が成立します。
- ウ:B社(派遣先企業)とY氏(派遣労働者)の間には指揮命令関係が成立します。
- エ:正解です。
営業利益・経常利益とは?
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「営業利益」とは、企業が本業で稼いだ利益のことです。(営業利益 = 売上高 – 売上原価 – 販売費及び一般管理費)
「経常利益」とは、本業と本業以外で獲得した利益のことです。(経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 – 営業外費用)
営業利益・経常利益に関する問題
次に、確認問題を用いて、計算方法の解説を行います。
◆確認問題
あるメーカの当期損失の見込みは表のとおりであったが, その後広告宣伝費が5億円, 保有株式の受取配当金が3億円増加した。このとき, 最終的な営業利益と経常利益はそれぞれ何億円になるか。ここで, 広告宣伝費, 保有株式の受取配当金以外は全て見込みどおりであったものとする。
出典:令和元年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問2
項目 | 金額 |
売上高 | 1,000 |
売上原価 | 780 |
販売費及び一般管理費 | 130 |
営業外収益 | 20 |
営業外費用 | 16 |
特別利益 | 2 |
特別損失 | 1 |
法人税住民税及び事業税 | 50 |
営業利益 | 経常利益 | |
ア | 85 | 92 |
イ | 85 | 93 |
ウ | 220 | 92 |
エ | 220 | 93 |
まず、最終的な「販売費及び一般管理費」と「営業外収益」を求めます。
「広告宣伝費」は「販売費及び一般管理費」に、「保有株式の受取配当金」は「営業外収益」に、損益計算表上分類されるため、問題文より、「販売費及び一般管理費」は見込みの「130億円」から「135億円」に、「営業外収益」は見込みの「20億円」から「23億円」になります。
なお、最終的な損益計算書は以下の表になります。
項目 | 金額 |
売上高 | 1,000 |
売上原価 | 780 |
販売費及び一般管理費 | 135 |
営業外収益 | 23 |
営業外費用 | 16 |
特別利益 | 2 |
特別損失 | 1 |
法人税住民税及び事業税 | 50 |
次に、「営業利益」と「経常利益」を算出する。
「営業利益」は、「営業利益 = 売上高 – 売上原価 – 販売費及び一般管理費」が成立するため、問題文より以下が成立する。
営業利益 = 1,000 – 780 – 135 = 85 (億円)
「経常利益」は、「経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 – 営業外費用」が成立するため、問題文より以下が成立する。
経常利益 = 85 + 23 -16 = 92 (億円)
以上より、営業利益 = 85 (億円)、経常利益 = 92 (億円)・・・(ア)
IoTとは?
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「IoT」とは、「 Internet of Things」 の略であり、「モノのインターネット」 とも呼ばれ、身の回りのあらゆる「モノ」がインターネットに繋がる仕組みのことです。
ここで、IoT活用の事例の一部を紹介します。
- IoT × 農業:稲作における水田の水位、水温管理
- IoT × 漁業:養殖用のいけす水温管理、データ計測
- IoT × 医療:飲み薬の容器にセンサーを埋め込むことで、
- 薬の服用履歴の管理、服薬指導
- IoT × 製造業:工場内の生産設備にセンサーを取り付け、振動や温度など異常がないかを管理
- IoT × トイレ:トイレの空き状況をスマートフォンで確認
- でき、公共施設のトイレの混雑緩和
- IoT × 車:自動運転自動車
IoTに関する問題
◆確認問題
IoTの事例として, 最も適切なものはどれか。
出典:令和元年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問3
ア. オークション会場と会員のPCをインターネットで接続することによって, 会員の自宅からでもオークションに参加できる。
イ. 社内のサーバ上にあるグループウェアを外部のデータセンタのサーバに移すことによって, 社員はインターネット経由でいつでもどこでも利用できる。
ウ. 飲み薬の容器にセンサを埋め込むことによって, 薬局がインターネット経由で服用履歴を管理し, 服薬指導に役立てることができる。
エ. 予備校が授業映像をWebサイトで配信することによって, 受講者はスマートフォンやPCを用いて, いつでもどこでも授業を受けることができる。
◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア:「ライブコマース」の事例です。
- イ:「クラウドコンピューティング」の事例です。
- ウ:正解です。
- エ:「e-ラーニング」や「EdTech」の事例です。
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