エッジコンピューティングとは、利用者のスマートフォンなどのインターネットにつながるIoT機器において情報を処理したり、利用者に近いエリアのネットワークにサーバを分散配置して処理を行うことで、サーバの負荷分散と通信の低遅延化を図るコンピュータモデルのことです。
エッジコンピューティングとは?
「エッジコンピューティング」って何ですか?
「エッジコンピューティング」とは、IoT機器などにおいて、利用者に近いエリアのネットワークにサーバを分散配置して処理を行うことで、サーバの負荷分散と通信の低遅延化を図るコンピュータモデルのことです。
「クラウドコンピューティング」との違いは何ですか?
「クラウドコンピューティング」は、サーバを集約し、集中して処理する「集中処理型」になります。
一方、「エッジコンピューティング」は、ネットワークにサーバを分散配置して処理を行う「分散処理型」となります。
エッジコンピューティングとは、遅延と帯域幅の消費を低減するために、演算処理を可能な限りデータのソースに近づけることに焦点を当てたネットワークの基本方針のことになります。
エッジコンピューティングは、クラウド側で実行するプロセスを減らし、それらのプロセスをユーザーのコンピューター、IoTデバイスやエッジサーバーなどローカルな場所に移動することを意味しています。
ネットワークのエッジにコンピューティング機能を移動することで、クライアントとサーバー間で発生する長距離通信の量が最小限に抑えることができます。
エッジコンピューティングのメリット
ここで、「エッジコンピューティング」の主なメリットを紹介します。
- 低遅延によるリアルタイムでのデータ処理
- 分散処理やトラフィックの最適化
- 通信コストの削減
- セキュリティやBCP対策、データガバナンスの強化
エッジコンピューティングの実例
エッジコンピューティングは、さまざまなアプリケーション、製品、サービスに取り入れることができます。以下では一例を紹介していきます。
- IoTデバイス:インターネットに接続されたスマートデバイス(IoTデバイス)は、クラウドではなくデバイス自体でコードを実行することで、より効率的なユーザーとのインタラクションを可能としています。
- 自動運転車:自律走行車は、サーバーからの指示を待つことなく、リアルタイムに反応する必要があります。
- 医療用モニター機器:医療機器は、クラウドサーバーからの連絡を待つことなく、リアルタイムに対応する必要があります。
- ビデオ会議:インタラクティブなライブビデオは、かなりの帯域幅を必要とするため、バックエンドプロセスをビデオのソースに近づけることで、ラグや遅延を減らすことが可能です。
エッジコンピューティングに関する問題(令和5年問71)
IoTシステムにおけるエッジコンピューティングに関する記述として,最も適切なものはどれか。
ア. IoTデバイスの増加によるIoTサーバの負荷を軽減するために,IoTデバイスに近いところで可能な限りのデータ処理を行う。
イ. 一定時間ごとに複数の取引をまとめたデータを作成し,そのデータに直前のデータのハッシュ値を埋め込むことによって,データを相互に関連付け,改ざんすることを困難にすることによって,データの信頼性を高める。
ウ. ネットワークの先にあるデータセンター上に集約されたコンピュータ資源を,ネットワークを介して遠隔地から利用する。
エ. 明示的にプログラミングすることなく,入力されたデータからコンピュータが新たな知識やルールを獲得できるようにする。
出典:令和5年度 ITパスポート試験公開問題 問71
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ア. IoTデバイスの増加によるIoTサーバの負荷を軽減するために,IoTデバイスに近いところで可能な限りのデータ処理を行う。
正解です。
イ. 一定時間ごとに複数の取引をまとめたデータを作成し,そのデータに直前のデータのハッシュ値を埋め込むことによって,データを相互に関連付け,改ざんすることを困難にすることによって,データの信頼性を高める。
不正解です。
ウ. ネットワークの先にあるデータセンター上に集約されたコンピュータ資源を,ネットワークを介して遠隔地から利用する
不正解です。
エ. 明示的にプログラミングすることなく,入力されたデータからコンピュータが新たな知識やルールを獲得できるようにする。
不正解です。
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