「TCP/IP」の解説〜ITパスポートR5年 問68〜

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TCP/IPとは、インターネットで標準的に利用されている通信プロトコルであり、TCP(伝道制御プロトコル)とIP(ネットワーク間プロトコル)という2つのプロトコルで構成しているものです。

目次

TCP/IPとは?

「TCP/IP」は何ですか?

「TCP/IP」とは、インターネットで標準的に利用されている通信プロトコルで、TCP(Transmission Control Protocol:伝道制御プロトコル)とIP(Internet Protocol:ネットワーク間プロトコル)という2つのプロトコルで構成しています。

「TCP」は、届けられたデータをもとの順番通りに並び替えて1つのファイルにする役目を果たします。
「IP」は、目的地までデータを運送する役目を果たします。

そもそも「プロトコル」は何ですか?

インターネットに接続する際、あらゆるコンピューター同士が同じように通信できるように、通信するデータ形式や信号の送受信方法などを統一する必要があります。それぞれの通信ルールを「プロトコル」といいます

「プロトコル」の実用例を教えてください。

パソコンでWEBサイトを閲覧するにしても、パソコンから有線LAN、光回線、WEBサイトのデータが格納されたサーバに至るまで、それぞれの規格に適した信号に変換する必要があり、それを可能にするために多くのプロトコルが必要となります。

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TCPプロトコルの役目は?

TCPは、届けられたデータをもとの順番通りに並び替えて1つのファイルにする役目を果たします。

なお、TCPの主な機能や特徴は、次の通りになります。

  • アプリケーション間で双方向の通信路を開設し、それを利用して相互通信をする。
  • 信頼性のある通信機能を提供する。信頼性のある通信とは、送信したデータが、送信した順番で正しく相手に届くことが保証され、何らかの理由で送信が失敗した場合は自動的に再送信する等して、確実に相手にデータが届くことを保証する通信のこと。
  • 通信経路が混んでいる場合は、送信量を抑えたり、逆に空いている場合はまとめて送信することで送信効率を上げる。

TCP/IPのネットワークにつながっているコンピュータには、全てIPアドレスという固有の識別用の情報が割り当てられています。

連続するIPアドレスを持つコンピュータには、何台かまとめてネットワークグループを構成し、そのグループ間をIPルータが相互に接続しています。

IPプロトコルの役目は?

IPプロトコルの役目は、ネットワークを利用して、2台のコンピュータ間でデータをやりとりすることです。

同じネットワークグループ内にあるコンピュータ同士なら直接相互に通信してパケットを届ければよいが、通信相手が異なるグループにいる場合は、IPルータに依頼し、隣接するネットワークへデータを送信します。

データを受け取ったIPルータは、宛先が自分の所属しているネットワークグループ内にいるか調べ、存在しなければ、さらに隣接するIPルータへ転送を依頼します。

このように、IPルータ同士でパケットを順次バケツリレー方式でやりとりすることで、目的のコンピュータまで届けられます。

TCP/IPでのデータ受信の流れ

TCP/IPでインターネット通信を行う場合、通信データは、送信元から発信されて端末で受信するまで、役割に応じて次の4つの段階(階層)を経ることになり、それぞれに専用のプロトコルが存在します。

それぞれのプロトコルで、「ヘッダー」と呼ばれる付加情報をデータに追加して次の階層へ送ったり、前の階層から送られてきたデータの付加情報を読み取り、正しくデータが伝送される仕組みになっています。

なお、以下の一連の階層のプロトコルによって適切な形で通信することで、インターネットを使うことができます。

STEP
アプリケーション層

アプリケーション層はWEBサイトやメールなど、具体的な通信サービスを提供する階層になります。代表的なプロトコルとして、WEBサイトの場合は「HTTP」、メールの場合は「SMTP」などがあります。

STEP
トランスポート層

通信データの誤りや順序を制御し、送信先にデータを正しく届ける役割を担う階層になります。代表的なプロトコルとして「TCP」と「UDP」があります。

STEP
インターネット層

データの通信経路を定義することで、異なるネットワーク間で通信できるようにする役割を担う階層になります。代表的なプロトコルとしては「IP」があります。IPは、通信データを「パケット」という小さなデータ単位に分割し、コンピューターのインターネット上の住所である「IPアドレス」を指定してデータを送受信する通信プロトコルで、現在は第4世代の「IPv4」と第6世代の「IPv6」が主に使われています。

STEP
ネットワークインターフェース層

ネットワーク機器や端末などの物理的に接続された機器間の通信方法を規定する階層になります。代表的なプロトコルとしては、有線LANケーブルで使われる「イーサネット」や、無線LANで使われる「Wi-Fi」、電話回線等では「PPP」と呼ばれる通信プロトコルがあります。

TCPは、通信するコンピューター同士で都度データが間違いや損失なく正確に届いているかを確認しあいます。また、間違いがあれば正確に届くまでデータを再送することで、通信速度は遅いものの、確実かつ信頼性の高い通信を実現するプロトコルです。WEBサイトやメールなどで使われています。

UDPは、データが正確に届いていなくてもデータ再送を行わず、信頼性は低いものの高速な通信を提供するプロトコルになります。UDPは動画配信やオンライン会議などで使われています。

TCP/IPに関する問題(令和5年問68)

インターネット上のコンピュータでは,Webや電子メールなど様々なアプリケーションプログラムが動作し,それぞれに対応したアプリケーション層の通信プロトコルが使われている。これらの通信プロトコルの下位にあり,基本的な通信機能を実現するものとして共通に使われる通信プロトコルはどれか。

   ア.   FTP     イ.  POP     ウ.  SMTP     エ.  TCP/IP

出典:令和5年度  ITパスポート試験公開問題 問68

正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!(解答・解説を記載しています。)

ア.   FTP  

不正解です。

イ.  POP

不正解です。

ウ.  SMTP

不正解です。

エ.  TCP/IP

正解です

TCP/IP

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