「不正競争防止法」の解説 〜 ITパスポート R5年 問29 〜

不正競争防止法とは？

不正競争防止法とは、公正な競争と国際約束の的確な実施を確保するため、不正な競争を防止し、国民経済の健全な発達に寄与することを目的とした法律のことです。（平成5年5月19日法律第47号）

市場経済社会が、正常に機能するためには、市場における競争が公正に行われる必要があります。競争相手を貶める風評を流したり、商品の形態を真似したり、競争相手の技術を産業スパイによって取得したり、虚偽表示を行ったりするなどの不正な行為や不法行為が行われるようになると、市場の公正な競争が期待できなくなってしまいます。

また、粗悪品（欠陥・不良品）や模倣品などが市場に出回るようになると、消費者も商品を安心して購入することが出来なくなってしまいます。

不正な競争行為が蔓延すると、経済の健全な発展が望めなくなります。市場における競争が公正に行われるようにすることを目的として、不正競争防止法が制定されています。

なお、「不正行為防止法」で禁止されている主な行為は以下の通りです。

• 周知な商品等表示の混同惹起行為：すでに社会で広く知られている商品のパッケージや商品名に似せたもの（バッタもん）を販売し、元の商品と勘違いして購入するよう促す行為です。
• 著名な商品等表示の冒用：著名な商品の名前を自社の商品やサービスの名称として利用する行為です。
• 営業秘密の侵害：顧客情報や技術的なノウハウなど営業秘密を窃盗などの手段で取得する行為です。なお、営業の秘密は、秘密管理性（秘密として管理されていること）、有用性（企業活動に有用な技術や情報）、非公知性（世の中に知れていないこと）の三点を満たすことが必要です。
• 商品形態模倣行為：他者の商品のデザイン・質感を模倣した商品を販売する行為です。
• ドメイン名の不正取得：他者に侵害を与える目的や不正な利益を得る目的で、他者と類似したドメインを取得する行為です。

不正行為防止法に関する問題（令和5年問29）

不正な販売行為を防ぐために，正当な理由なく映像ソフトのコピープロテクトを無効化するプログラムの販売行為を規制している法律はどれか。

ア.  商標法  イ.  特定商取引に関する法律   ウ.  不正アクセス行為の禁止等に関する法律   エ.  不正競争防止法

出典：令和5年度 ITパスポート試験公開問題 問29

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