「IPO」の解説 〜 ITパスポート R5年 問28 〜

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IPOとは?

IPOとは、Initial Public Offering (新規公開株式)の略であり、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることです。

IPOで株式を市場に公開する場合は、新規に株式を発行するか、上場前に株主が保有している株式を売り出すことで実施されます。 IPOの株式の価格は「公募価格」と「売出価格」が存在します。新規で株式を発行し、買い手を募ることを公募と呼び、買い手を募る際の価格を公募価格、発行済みの株式を売り出す価格のことを売出価格と呼ばれます。 これらの価格を設定するのは、上場を希望する企業が依頼する主幹事証券会社になります。主幹事証券会社は、監査の結果や会社の実績をもとに価格を想定し、投資家などへヒアリングを通して価格の最終決定を行います。

IPOと上場は、どちらも未上場企業が証券取引所に上場し不特定多数の投資家からの株式の売買を可能にすることという点では同じですが、少し違いがあります。 IPOは新規で株式を公開することになります。

IPOに含まれるものは以下になります。

  • 外部に金融商品を公開して購入を促すこと
  • 誰でも株式を購入できる状態にすること
  • 増資が目的で、新規の株式が発行される
  • 既存の株主が保有する株式を売却して、投資家に販売すること
  • 保有する株式の売却や株式の新規発行により資金調達を狙いとする
  • 初めて株式を公開する際に使う場合のこと

一方で上場は、株式会社が保有・発行する株式が証券取引所での取引を認められることになります。新規の株式発行を伴う必要はありません。国内での新規上場の場合は、ほとんどのケースで新規の株式が発行されています。 

IPOするメリット・デメリット

IPOをすることは、企業だけでなく投資家、従業員にもメリットとデメリットがあります。 ここでは、IPOを行うメリットとデメリットを立場別に紹介します。

企業のメリット・デメリット

企業にとってIPOする主なメリットは以下のとおりです。

  • 金融機関をはじめとした資金調達を受けやすくなる
  • 社内体制(経営体制)の強化
  • 企業価値、知名度の向上
  • 社会的信用度の向上
  • 人材採用の向上

IPOを行うことで、一般の投資家からの投資を受けられるようになります。さらに上場に伴う審査に合格できる企業であるという証明になり、社会的信用の向上が期待できます。社会的信用が高まれば、金融機関からの融資が期待できるだけでなく、よりスキルの高い人材が確保しやすくなります。 

一方、デメリットとしては以下になります。

  • 上場後の成長維持へのプレッシャーがかかる
  • IPO準備や維持のために人的・資金的・時間的コストが掛かる
  • 誰でも上場できるわけではない

IPOが積極的に行われているベンチャー企業向けの市場では、本則市場に比べて投資リスクの高い企業が多いことから、より継続的な企業成長が求められます。 また、IPOを希望したすべての企業ができるものではありません。上場準備の段階から、人的・資金的・時間的コストが多くかかるため、IPOが可能な企業体制の構築が必要となります。

株主のメリット・デメリット

株主の主なメリットは以下のとおりです。

  • 既存株主の保有株の資産価値が向上する
  • 保有する株式の現金化が容易になる
  • 期待値が高く利益が出やすい
  • 株式の流通性が向上

未公開株式の場合、保有する株式を販売する場所や機会が限られるため、IPOを行い株式を一般に公開することで株式の売買や資産の現金化が可能になります。 また、IPOは投資家からの期待値が高いため、上場後に株価の上昇が期待できます。そのためIPOは、既存株主や公募で株式を取得した投資家にとって利益を見込みやすい銘柄になります。 

一方、株主にとってのデメリットとして以下が挙げられます。

  • 投資リスクが高い
  • 公募への当選が難しい

IPOは、主にベンチャー企業や新興企業が行うことが多く、実績のある企業などの銘柄に比べると株価や企業の業績が安定しているとは言い難いため、株主にとって投資リスクが高い投資先です。 また、上場時の公募にて一般投資家が株式を購入しますが、人気の銘柄であるほど公募の当選確率が下がるため、IPOを行う企業への投資を考えている投資家にとってはデメリットといえます。

従業員のメリット・デメリット

従業員にとって、勤め先がIPOすることで主に以下のメリットがあります。

  • 上場による企業価値の向上
  • 上場準備に伴うスキルの向上

IPOは、その審査の厳しさから上場することで得られる企業価値や信用は高く、上場企業に勤めている従業員にも一定のメリットが期待できます。 また、上場準備のための社内体制の強化や、業務システムの変更などへの対応などをとおしてのスキルアップや、上場を経験したことは将来のキャリア形成にも役立ちます。 

一方、従業員目線での主なデメリットは以下の通りです。

  • 社内規則の改定や業務フローへの対応が必要
  • 求められる業務のレベルやクオリティが大きく上がる
  • IPO準備による業務の増加

IPOは社内体制に大きく影響するため、働き方や社内規定の改定に順次対応しなければなりません。 また、IPO準備に伴う従業員の業務負荷の増加や、求められる業務の質の水準が高くなることで、モチベーションが低下する要因になってしまうおそれがあります。

IPOに関する問題(令和5年問28)

AIを開発するベンチャー企業のA社が,資金調達を目的に,金融商品取引所に初めて上場することになった。このように,企業の未公開の株式を,新たに公開することを表す用語として,最も適切なものはどれか。

ア.  IPO  イ.  LBO    ウ.  TOB    エ.   VC

出典:令和5年度 ITパスポート試験公開問題 問28

正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!

ア.  IPO

正解です。

イ.  LBO 

不正解です。

ウ.  TOB

不正解です。

エ.   VC

不正解です。

IPO

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