定量発注方式 / 定期発注方式とは?
定量発注方式とは、商材の在庫が一定数を下回った際に、決まった数量を発注する方法のことです。
定期発注方式とは、週1回、毎月1回など、決まった発注間隔で毎回数量を計算して発注する方法のことです。
定期発注方式とは?
定期発注方式とは、材料や製品などを週1回、毎月1回などといったように定期的に発注する方法になります。数量は決まっておらず、その時々に必要な分だけ注文します。
定期発注方式が向いているのは、以下の特徴をもつ商品になります。
- 単価が高い商品
- 需要の変化が比較的大きく、または頻繁で、予測がしにくい商品
- 消費期限がある商品
- 劣化が目立つ商品
例えば、家電量販店では冷蔵庫・洗濯機、セレクトショップでは高級バッグ、小売店は生鮮食品などが挙げられます。冷蔵庫や洗濯機は、単価が高いため、仕入れすぎて売れなければ保管スペースの確保もコスト負担も大変です。しかし、入学、就職シーズンには、多く売れることもあるので、時期によっては多めの在庫が欲しくなります。
生の魚や肉などは、毎日仕入れが必要ですが、消費期限があり長期保管できないため、売れ残りによるロスが避けたいです。よって、定期的かつ数量を変えながら注文できる定期発注方式が向いています。
なお、定期発注方式を活用する際の発注量の求め方は以下になります。
発注量 =(発注間隔 + 調達期間) × 1日の在庫使用予定量 + 安全在庫 - 現在の在庫量 - 現在の発注残
「安全在庫」とは、急に大量の販売が必要となった場合の保険的役割を果たす予備の在庫のことです。
安全在庫 = 安全係数 × 需要数の標準偏差 ×√(発注間隔+調達期間)で求めることができます。
「発注残」とは、現在注文している商品の中で、まだ納品されていないものの数量です。もし、10個注文した商品が、8個しか届いていなければ、発注残は2個になります。
定量発注方式とは
「定量発注方式」とは、在庫が一定の量まで減少したら決まった量を発注する方法になります。
定量発注方式が向いているのは、以下の特徴をもつ商品になります。
- 単価が低い商品
- 需要が安定していて入手もしやすい商品
- 一度にまとまった量の補充が可能な商品
- 劣化しにくい商品
例として、砂糖や塩、キッチン用品や文房具などがあげられます。砂糖や塩は、季節に関係なく常に需要があります。また、価格も安くて腐りません。一定の量まで在庫が減ったときに機械的に同量の発注をかけても、在庫はほぼ確実に減らせると想像できます。少々在庫が増えたとしても、実質的な損失やダメージはほとんどありません。
発注を行うと決まっている在庫量を発注点といいます。求め方は、以下の通りです。
発注点 =(1日の在庫消費量 × 調達期間)+ 安全在庫
調達するまでに、売れたり、使用したりすると考えられる商品や材料を、安全在庫とともに確保しておく必要があります。
定量発注方式 / 定期発注方式に関する問題(令和5年問24)
需要量が年間を通じて安定している場合において,定量発注方式に関する記述として,最も適切なものはどれか。
ア. 最適な発注量は,発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる場合である。
イ. 発注回数の多寡で比較したとき,発注回数の多い方が商品を保管するスペースを広くする必要がある。
ウ. 発注は毎週金曜日,毎月末など,決められた同じサイクルで行われる。
エ. 毎回需要予測に基づき発注が行われる。
出典:令和5年度 ITパスポート試験公開問題 問24
正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!
ア. 最適な発注量は,発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる場合である。
正解です。
イ. 発注回数の多寡で比較したとき,発注回数の多い方が商品を保管するスペースを広くする必要がある。
不正解です。
ウ. 発注は毎週金曜日,毎月末など,決められた同じサイクルで行われる。
不正解です。
エ. 毎回需要予測に基づき発注が行われる。
不正解です。
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