フリーミアムとは?
フリーミアムとは、「フリー(無料)」と「プレミアム(割増料金)」の造語で、基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデルのことです。
フリーミアムとすることで、顧客は、基本機能をもつ無料サービスから利用をはじめることができるため、導入の心理的ハードルを低くすることができます。また、フリーミアムでは、無料でサービスを利用している顧客が、より機能的に使いたいと自然に思いやすい設計になっているため、有料サービスへ移行する顧客を獲得しやすいことも特徴としてあげられます。
なお、フリーミアムと無料トライアルの違いは、無料で利用できる期間に限りがあるかどうかです。無料トライアルでは、本来は有料サービスであるものを、お試しとして、一定期間無料で利用できる仕組みのことです。
そのため、無料トライアルの期間が終了すれば、サービスは有料になるため、使い続けるかどうかは、顧客の意思にゆだねられます。一方、フリーミアムでは基本的機能を無料で提供する仕組みのため、追加で有料機能を利用しない限りは、サービスを使いつづけても料金は発生しません。
ここで、フリーミアムのビジネスモデルについて紹介します。
- 機能追加型:無料で利用できる基本機能に加えて、より高度な機能を有料で追加するものです。
- 制限解除型:無料プランで表示されている広告を非表示にできる機能や、制限されている機能を解除して利用できるようにするものです。
- 容量追加型:追加料金を支払うと、サービス内の容量が追加できるものです。
- 会員限定型:有料会員しか利用できないサービスを提供するものです。
- 都度課金型:基本機能の無料サービスを利用しながら、必要に応じて、追加機能やサービスに都度課金をするビジネスモデルです。
フリーミアムのメリット
次に、フリーミアムのメリットを紹介します。
- 新規ユーザーを獲得しやすい:無料で利用できるため、新規ユーザーを獲得しやすいです。無料サービスを気に入ったユーザーが、追加機能や容量を購入するため、有料機能のリピート率が高く、支払いに対する満足度が高くなります。
- 口コミで広がりやすい:基本サービスを無料で利用できるため、利用する人の母数が増えやすく、そのぶん口コミが広がりやすいです。
- 購入ハードルを下げられる:無料で利用してから、有料化できるため、購入ハードルが低くなります。無料で使い勝手がよいとわかったら、さらに便利に利用するために、有料サービスにしたいと思うユーザーも出てくることが期待できます。
フリーミアムのデメリット
フリーミアムのデメリットを紹介します。
- 利益を出すまでに時間がかかる:利益を出すためには、まず無料のサービスに満足してもらう必要があり、さらにそこから有料に移行してもらう必要があります。また、無料で利用できる機能の範囲を広くしすぎてしまうと、顧客が無料機能で満足してしまい、収益化できない可能性も考えられます。
- 事業によって向き不向きがある:製造業や商社など、事業によってはフリーミアムのビジネスモデルが適していない場合があります。物に対して価値がつく製品は、物自体に価値があるため、商品の基本的な機能を無料で利用してもらうと、利益率が出にくくなる危険性があります。一方、Web系商材は、物ではないため、機能制限や追加サービスをつけることで、利益を出せる可能性があります。
- 運用難易度が高い:フリーミアムで利益を創出するためには、無料サービスから有料サービスに移行してもらう必要があるため、企業には、顧客を有料サービスに誘導するマーケティング力が求められます。
フリーミアムに関する問題(令和5年問21)
フリーミアムの事例として,適切なものはどれか。
ア. 購入した定額パスをもっていれば,期限内は何杯でもドリンクをもらえるファーストフード店のサービス
イ. 無料でダウンロードして使うことはできるが,プログラムの改変は許されていない統計解析プログラム
ウ. 名刺を個人で登録・管理する基本機能を無料で提供し,社内関係者との間での顧客情報の共有や人物検索などの追加機能を有料で提供する名刺管理サービス
エ. 有料広告を収入源とすることによって,無料で配布している地域限定の生活情報などの広報誌
出典:令和5年度 ITパスポート試験公開問題 問21
正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!
ア. 購入した定額パスをもっていれば,期限内は何杯でもドリンクをもらえるファーストフード店のサービス
不正解です。
イ. 無料でダウンロードして使うことはできるが,プログラムの改変は許されていない統計解析プログラム
不正解です。
ウ. 名刺を個人で登録・管理する基本機能を無料で提供し,社内関係者との間での顧客情報の共有や人物検索などの追加機能を有料で提供する名刺管理サービス
正解です。
エ. 有料広告を収入源とすることによって,無料で配布している地域限定の生活情報などの広報誌
不正解です。
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