特性要因図とは?
「特性要因図」とは、特性と要因の関係を魚の骨のような形状として体系的にまとめた図のことです。
特性要因図では、その形が魚の骨に似ていることから、「フィッシュボーンチャート」とも呼ばれています.
特性とは結果を表し、要因とはその結果をもたらすのに影響を与えた要素のことを指します。特性要因図にすることで、結果に対してどのような要因が関連しているかを明確にできます。そのため、品質管理の分析できるだけでなく, あらゆるビジネスの原因と結果の関係を図示化するのにも有効です.
また、特性要因図は、数値データなどを統計・分析して品質管理に役立てるツールである「QC七つ道具」の一つになります。※QC7つ道具(①パレート図, ②特性要因図, ③チェックシート, ④ヒストグラム, ⑤散布図, ⑥グラフ/管理図, ⑦層別)
ちなみに、特性要因図は日本生まれの手法であり、QCサークル活動の生みの親とされている東京大学の石川馨教授が考案したものになります。1952年に川崎製鉄の工場が実務に使用し大きな成果を上げたことで、 広く企業にも浸透するようになりました。現在でも、改善活動の報告でも定番となっている良く知られた手法です。
特性要因図の構成
特性要因図は、以下の要素で構成されています。
- 背骨:取り上げるべき課題、不調、結果(=特性)
- 大骨:背骨の原因となる、すぐに思いつく事象
- 小骨:大骨を構成する個々の要素
- 孫骨:小骨に潜んでいるミクロな要素
特性要因図の作成方法
① 不調・課題を「特性」として書き出し、「背骨」を引きます。
まず、直面している不調や課題を右端に大きく書き出します。これが、特性となります。特性に向かって背骨を引き、様々な要素を紐付けていきます。
② 直接的な要因を「大骨」として書き出します。
不調や課題である特性の、直接的な要因を思いつく限り書き出します。ブレインストーミングのように、深く考えず多くの大骨をリストアップしていきます。
③ 大骨の課題を作り出す要素を「小骨」に書き出します。
大骨に繋がる小骨を、書き出していきます。最初は解像度が低かった背骨も、段々と全容が分かってくるようになります。
④ 小骨の課題を生み出すミクロな要素を「孫骨」に書き出します。
小骨の事象を更に要素分解することで、孫骨のミクロな事象にまで落とし込みます。特性要因図の完成になります。
⑤ 改善のための対策を立てます
作成した特性要因図をもとに優先順位をつけ、インパクトの大きい孫骨から改善できるよう対策を立てていきます。
特性要因図に関する問題(令和4年問48)
システム開発プロジェクトの品質マネジメントにおいて,品質上の問題と原因との関連付けを行って根本原因を追究する方法の説明として,適切なものはどれか。
ア. 管理限界を設定し,上限と下限を逸脱する事象から根本原因を推定する。
イ. 原因の候補リストから原因に該当しないものを削除し,残った項目から根本原因を紋り込む。
ウ. 候補となる原因を魚の骨の形で整理し,根本原因を検討する。
エ. 複数の原因を分類し,件数が多かった原因の順に対処すべき根本原因の優先度を決めていく。
出典:令和4年度 ITパスポート試験公開問題 問48
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ア. 管理限界を設定し,上限と下限を逸脱する事象から根本原因を推定する。
不正解です。
イ. 原因の候補リストから原因に該当しないものを削除し,残った項目から根本原因を紋り込む。
不正解です。
ウ. 候補となる原因を魚の骨の形で整理し,根本原因を検討する。
正解です。
エ. 複数の原因を分類し,件数が多かった原因の順に対処すべき根本原因の優先度を決めていく。
不正解です。
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