「プロジェクト人件費(計算問題)」「リリース及び展開管理」の解説

プロジェクト人件費(計算問題)に関する問題

開発期間10か月,開発の人件費予算1,000万円のプロジェクトがある。5か月経過した時点で,人件費の実績は600万円であり,成果物は全体の40%が完成していた。このままの生産性で完成まで開発を続けると,人件費の予算超過はいくらになるか。
 ア. 100万円
    イ. 200万円
    ウ. 250万円
    エ. 500万円

出典:令和3年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問36

◆確認問題の解答(エ)、解説・・・解説は、次の通り。

計画当初では完成させるのに1,000万円の人件費を見込んでいました。つまり、1%当たり10万円の人件費がかかる想定になります。

しかし、実際は、40%完成させるのに600万円掛かり、1%当たりの人件費は「600万円÷40=15万円」となります。

現状の生産性だと、残り60%を完成させるためには、「15万円×60=900万円」の人件費が必要な計算になります。

既に消化済の実績値を加えると、プロジェクト全体の人件費は「600万円+900万円=1,500万円」になると見込まれることから、当初予算と比較して500万円の超過となります。


リリース及び展開管理とは?

「リリース及び展開管理」とは、ITサービスの立ち上げや、現在運用中のサービスから新しいサービスへの移行について整理するサービス・トランジションに属するプロセスのことで、システムに対する変更とその適用作業を管理します。

「リリース及び展開管理」のプロセスでは、リリース管理と展開の両方を責務とするプロセスになります。

「リリース管理」では、テスト環境および稼働環境へのリリースの移行を計画立案・スケジューリング・およびコントロールすることを責務とするプロセスになります。リリース管理の主要な目標は、稼働環境の完全性が守られ、正しいコンポーネントがリリースされるようにすることになります。

「展開管理」では、新規または変更されたハードウェア・ソフトウェア・文書・プロセスなどを稼働環境へ移行することを責務とする活動になります。

リリース及び展開管理に関する問題

システムの利用者数が当初の想定よりも増えてシステムのレスポンスが悪化したので,増強のためにサーバを1台追加することにした。動作テストが終わったサーバをシステムに組み入れて稼働させた。この作業を実施するITサービスマネジメントのプロセスとして,適切なものはどれか。
 ア. インシデント管理
    イ. 変更管理
    ウ. 問題管理
    エ. リリース及び展開管理

出典:令和3年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問37

◆確認問題の解答(エ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • (インシデント管理):「インシデント管理」では、システムの異常終了や構成機器の障害発生など、サービスの中断やサービス品質の低下につながるような事象が発生した時に、サービスの中断時間を最小限に抑えて速やかに回復することを目指します。
  • イ(変更管理):「変更管理」では、変更作業にともなうリスクを管理し、リスクとメリットを考慮し、リリースを実施するかどうかの評価を行います。
  • ウ(問題管理):「問題管理」では、インシデントの発生原因を究明し、特定した原因についての恒久的な対策を提示します。
  • エ(リリース及び展開管理):正解です。「リリース及び展開管理」では、変更管理プロセスで承認された変更作業について、実際のサービス提供システムへの変更作業を行います。