「ダーウィンの海」「AI」の解説

2021年9月3日

ダーウィンの海とは?

ダーウィンの海とは、最適事業化に成功して新製品が開発されても、既存商品や他企業を相手にした競争が待ち受けている状態を指します。イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの唱えた自然淘汰にちなんで呼ばれています。

イノベーション経営を阻む三つの関門として、「魔の川(Devil River)」「死の谷(Valley of Death)」「ダーウィンの海(Darwinian Sea)」があると言われています。これらは、技術を基にしたイノベーションを実現するため、研究開発から事業化までのプロセスにおいて乗り越えなければならない障壁を指しています。

「魔の川」は、研究ステージと製品化に向けた開発ステージの間に存在する障壁になります。研究を研究だけで終わらせないようにするためには、技術を市場ニーズに結び付け、具体的なターゲット製品を構想する知恵が必要とされます。

「死の谷」は、開発ステージと事業化ステージの間に存在する障壁です。商品を製造・販売して売上にまでつなげていくためには、資金や人材などの経営資源を適切に調達することが必要とされます。

「ダーウィンの海」は、事業化ステージと産業化ステージの間に存在する障壁です。事業を成功させるためには、競争優位性を構築し、多くのライバル企業との生き残り競争に勝つことが必要とされています。

ダーウィンの海に関する問題

技術経営における新事業創出のプロセスを,研究,開発,事業化,産業化の四つに分類したとき,事業化から産業化を達成し,企業の業績に貢献するためには,新市場の立上げや競合製品の登場などの障壁がある。この障壁を意味する用語として,最も適切なものはどれか。
 ア. 囚人のジレンマ
    イ. ダーウィンの海
    ウ. ファイアウォ-ル
    エ. ファイブフォース

出典:令和2年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問3

◆確認問題の解答(イ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:「囚人のジレンマ」とは、ゲーム理論に関するモデルの1つであり、複数の囚人がいる状況で各々が自分にとってベストな選択をした結果、お互いに協力した時よりも全体としての利益が少なくなってしまう様子を表したものになります。
  • イ:正解です。「ダーウィンの海」とは、新技術を使った新しい製品が市場の淘汰を乗り越え事業として成り立つまでの難しさを表現した言葉になります。
  • ウ:「ファイアウォ-ル」とは、不正データの通過を阻止するためにネットワーク同士の境界に配置されるソフトウェア・ハードウェアになります。
  • エ:「ファイブフォース」とは、業界の収益性を決める5つの競争要因から、業界の構造分析をおこなう手法になります。「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」という3つの内的要因と、「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」の2つの外的要因、計5つの要因から業界全体の魅力度を測ります。

AIとは?

「AI」とは、 人間の知的能力(言語の理解、推論、問題解決など )をコンピュータで可能にするための技術のことです。AIの実用例として、国内シェアNo.1の「IBM Watson」がございます。

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AIの解説詳細は、以下リンク先にも記載がございます。類似の確認問題も出題しておりますので、是非、参照下さい。

AIに関する問題

コンビニエンスストアを全国にチェーン展開するA社では,過去10年間にわたる各店舗の詳細な販売データが本部に蓄積されている。これらの販売データと,過去10年間の気象データ,及び各店舗近隣のイベント情報との関係を分析して,気象条件,イベント情報と商品の販売量との関連性を把握し,1週間先までの天気予報とイベント情報から店舗ごとの販売予想をより高い精度で行うシステムを構築したい。このとき活用する技術として,最も適切なものはどれか。
 ア.  IoTを用いたセンサなどからの自動データ収集技術
 イ.  仮想空間で現実のような体験を感じることができる仮想現実技術
   ウ.  ディープラーニングなどのAI技術   
   エ.  表計算ソフトを用いて統計分析などを行う技術

出典:令和2年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問4

◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・解説は、次の通り。

本問題のシステムに求められることは、気象条件、イベント情報と商品の販売量との関連性を分析し、その分析結果に基づいて将来の予測を行うことになります。

揃っているデータを分析することが目的であるため、「ア」のセンサによるデータ収集と「イ」の仮想現実技術(VR)は無関係になります。なお、分析対象となる10年分の販売データは、全国の店舗別、商品別に分かれるため、相当なデータ量になることが想定されます。

表計算ソフトは、行数・列数が制限されることもあり(Microsoft Excelの行数は最大で100万行程度)、多い量のデータ分析には向いていません。

ビッグデータに類する膨大な量のデータの分析では、ディープラーニングなどのAI技術を用いたシステムを構築し、それにデータを学習させる方法が有効です。よって、「ウ」が正解になります。