こんにちは!旅先でその土地の知られざる歴史や、自然と人工物が織りなすユニークな景観を探求するのが大好きなRyo1です。今回は、佐久市内にありながら、その存在を意外と知らない人も多い、特別な場所を訪れてきました。
それが、佐久市今井と中込杉の木に位置する『杉の木貯水池』です。小諸発電所第一調整池という、知的な目的を持つ人造湖でありながら、周囲は公園として整備され、市民の憩いの場にもなっています。そして、この美しい湖面の下には、悲しい歴史と、そこから立ち上がった人々の物語が眠っていました。
私が実際に8月中旬の杉の木貯水池を訪れて感じた、五角形の湖面が持つ独特な景観、湖面に映る夏の青空と雲、そして発電所という産業遺産と、野鳥が憩う自然との見事な調和について、ドライブの立ち寄り先を探している方、佐久市の隠れた名所を知りたい方、そして歴史や産業遺産に興味がある方に向けて、写真と共にお届けします!
「杉の木貯水池ってどんなところ?」「佐久市にそんな場所があったの?」そんな疑問をお持ちのあなたに、きっと新たな発見と、心洗われる感動があるはず。ぜひ最後まで読んで、佐久の地に眠る、もう一つの物語を感じてくださいね!

なぜ今、『杉の木貯水池』を選んだのか?~知られざる歴史と、工業と自然の融合への好奇心~
佐久市には、駒場公園のような市民に愛される公園や、旧中込学校のような歴史的建築物、そして美しい千曲川の風景など、様々な魅力があります。その中で、今回私が杉の木貯水池を訪れたのには、明確な理由があります。
一つは、「小諸発電所第一調整池」という、その知的な成り立ちに強く惹かれたからです。単なる自然の湖ではなく、水力発電所のために造られた人造湖。そこには、人々の生活を豊かにするための電力という、産業的な目的があります。その機能的な目的を持つ場所が、今では自然と調和した美しい公園になっているという、そのギャップに強い興味がありました。
二つ目は、この貯水池が持つ悲しい歴史です。かつてこの場所で貯水池の決壊事故が起こり、尊い命が失われたという事実を知りました。その歴史の重みを心に留めつつ、今、多くの人々に愛される憩いの場となっているこの場所の「再生」の物語を、自分の目で確かめたいと思いました。
そして三つ目は、「公園として整備された自然空間」としての魅力です。真夏の8月でしたが、水辺という場所が持つ涼やかさや、野鳥が集まる穏やかな雰囲気が、日々の疲れを癒やしてくれるだろうと期待しました。
これらの魅力を求めて、私は今回、真夏の佐久で、知られざる歴史と、人工物と自然の調和を感じるべく、杉の木貯水池へと足を運びました。

貯水池へのアクセス:のどかな佐久の里山をドライブ
杉の木貯水池は、佐久市今井と中込杉の木にまたがる場所に位置しています。JR小海線の中込駅や、国道141号線からほど近い場所にあり、車でのアクセスが便利です。
佐久市街地から車を走らせると、次第に建物が少なくなり、のどかな田園風景や、木々が茂る里山の風景へと変わっていきます。窓を開けると、都会では感じられない、澄んだ空気と土の香りがフワッと車内に入ってきます。
道を進んでいくと、やがて視界が開け、周囲の里山の緑の中に、青く静かな湖面が姿を現します。それが杉の木貯水池です。
貯水池の周囲は、東京電力によって公園として整備されており、敷地内には駐車場も完備されています。佐久市のローカルな場所ですが、しっかりと整備されているため、安心して車を停めることができました。駐車場の誘導も分かりやすいです。
貯水池の周囲は遊歩道になっており、散策やジョギングをする人々も見られました。




貯水池の第一印象:五角形の不思議な湖面と、静寂に包まれた空間
駐車場から貯水池へと向かうと、まず驚かされるのは、その「五角形」という独特の形状です。自然の湖とは異なり、人の手によって造られた人造湖ならではの、直線的なラインと、角を持つユニークな形をしています。
そして、その五角形の湖面は、非常に穏やかで静か。8月中旬の太陽の光を反射してキラキラと輝き、まるで巨大なエメラルドが大地に埋め込まれているかのようです。水面は鏡のように周囲の里山の緑や、夏の高く澄んだ青空、そして白い雲を映し出しており、その幻想的な美しさに目を奪われます。
湖の周りには、手入れされた芝生広場や木々が広がり、訪れる人々を温かく迎え入れてくれます。都会の喧騒が嘘のように遠ざかり、聞こえてくるのは風が木々を揺らす音や、鳥のさえずりのみ。この静寂と、湖面が持つ美しさに、心が深く癒やされていくのを感じます。




貯水池散策:歴史と自然が語る物語
杉の木貯水池は、ただ美しいだけでなく、その歴史と、自然が織りなす物語が、訪れる者の心を惹きつけます。








浮かぶ「人工の浮島」と、野鳥たちの憩いの場
貯水池の湖面を見ると、いくつかの「人工の浮島」が浮かんでいるのが分かります。これは、東京電力によって、この場所がカモやカワセミといった野鳥たちの憩いの場となるように整備されたものです。
実際に池の周りをゆっくりと歩いていると、水面を優雅に泳ぐカモの姿や、水面に飛び込むカワセミの姿(運が良ければ)を見ることができます。人造湖という機能的な目的を持つ場所が、生態系を育むための自然の空間としても機能していることに、感動を覚えました。人工と自然が共存し、お互いを高め合っている、美しい光景です。
この時期は、水面から心地よい風が吹き抜け、暑い夏でも涼やかさを感じられます。湖面を渡る風を感じながら、静かに野鳥たちの姿を観察するのは、本当に贅沢な時間です。
歴史に思いを馳せる「旧第一調整池決壊事故」
1928年(昭和3年)、ここに最初に造られた調整池(第一調整池)が、建設からわずか1年ほどで決壊し、尊い命が失われるという痛ましい事故が起こりました。その後、現在の貯水池が1937年(昭和12年)に再建されたのです。
今、私たちが穏やかに過ごしているこの美しい湖面の下には、そんな悲しい出来事があったのかと知ると、景色を見る目が変わります。単なる美しい景色ではなく、人々の苦難と、そこから立ち上がり、より安全な施設を再建しようとした人々の努力、そして亡くなった方々への鎮魂の思いが込められた場所だと感じます。
この歴史を知ることで、この場所が持つ美しさが、より深く、そして重みのあるものとして心に響きました。過去の教訓を忘れず、安全に、そして自然と調和しながら共存していくことの重要性を、この貯水池は静かに語りかけているようでした。
産業遺産としての意義:電力と暮らしの繋がり
この貯水池が、水力発電所「小諸発電所」に水を送るための調整池であるという事実も、この場所の大きな魅力です。
私たちが当たり前のように使っている電気が、このような山間部の、人の手によって造られた場所から生まれている。この美しい湖面の下には、私たちの暮らしを支えるための、壮大な産業の仕組みが隠されているのです。自然のエネルギーを人間の知恵で利用し、豊かな生活を築いてきた歴史を、この貯水池は雄弁に物語っています。
美しい景色を楽しみながら、私たちの生活を支える産業の力に思いを馳せる…これは、他の観光スポットではなかなかできない、貴重な体験です。

杉の木貯水池訪問のハイライト
- 五角形のユニークな湖面: 人造湖ならではの、独特な形状と美しさ。
- 鏡のようなリフレクション: 穏やかな湖面が、周囲の里山の緑や夏空を美しく映し出す。
- 人々の憩いの場と野鳥の楽園: 公園として整備され、人々が散策する一方で、人工の浮島に野鳥が憩う姿が見られる。
- 悲しい歴史からの再生: 過去の決壊事故という悲しい歴史を知ることで、この場所の美しさがより深く心に響く。
- 産業遺産としての意義: 水力発電所を支える調整池として、私たちの暮らしと密接に繋がっていることを感じられる。
- 静寂と癒やし: 都会の喧騒から離れ、水辺と緑に囲まれた静かな空間で心身ともにリフレッシュできる。
- 無料で見学できる: 歴史と自然の美しさを、誰もが気軽に楽しむことができる。

訪問を検討している方へ:基本情報とアドバイス
- 所在地: 長野県佐久市今井および中込杉の木
- アクセス:
- JR小海線 中込駅から車で約5分程度。
- 上信越自動車道 佐久ICから車で約15分。
- 車でのアクセスが必須です。公共交通機関でのアクセスは非常に困難です。
- 開園時間・休園日: 公園として整備されているため、基本的に常時開放されています。
- 入園料: 無料です。
- 所要時間: 湖の周りを一周する遊歩道は、ゆっくり歩いても20分~30分程度。ベンチに座って景色を眺めたり、歴史に思いを馳せたりする時間を含めても、1時間程度あれば十分に満喫できます。
- その他:
- 日差し対策: 公園は比較的開けているため、帽子や日焼け止め、水分補給用の飲み物など、日差し対策は必須です。
- 歴史の予習: 訪問前に、この貯水池が持つ決壊事故の歴史や、発電所の背景などを調べておくと、景色を見る目が全く違ってきます。

総評:杉の木貯水池は、佐久の地に眠る「知と歴史のシンフォニー」!
8月に訪れた『杉の木貯水池』は、私の想像をはるかに超える、静かで、美しく、そして深い物語を持つ場所でした。
五角形という独特の湖面、そこに映り込む夏の青空と新緑の輝き。その静寂な景色の下には、人々の暮らしを支える産業の力と、悲しい歴史の記憶が眠っていました。この場所は、単なる美しい公園ではなく、「産業と自然、そして歴史が共存する、生きた証」なのだと強く感じました。
過去の教訓から学び、今を大切に、そして未来へと進んでいくことの重要性を、この貯水池は静かに語りかけているようでした。
佐久市を訪れる機会があるなら、あるいはドライブの途中で、少し心を落ち着かせたい時、ぜひこの杉の木貯水池に立ち寄ってみてください。きっと、美しい景色と、この場所が持つ深い物語が、あなたの心に何か温かいものを残してくれるはずです。
この記事が、あなたの『杉の木貯水池』訪問のきっかけとなれば嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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