こんにちは!大阪・関西万博の会場、夢洲(ゆめしま)を連日巡り、未来の多様な姿に触れているRyo1です。
今回は、技術やイノベーションが前面に出るパビリオンが多い中で、特に「人間性」と「美意識」を重視したアプローチに惹かれた『フランス館(フランスパビリオン)』に行ってきました!「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博の壮大なテーマに対し、フランスが提示する「愛の讃歌」というメッセージは、想像以上に奥深く、そして心揺さぶるものでした。
私が実際にフランス館を訪れて感じた、最先端の生命科学と倫理への問いかけ、芸術とテクノロジーの融合が織りなす新たな感性の創造、そしてフランスならではのウェルビーイングを追求する未来社会について、アートや文化に興味がある方、生命科学や哲学に関心がある方、そして万博の必見パビリオンを探している方に向けて、写真と共にお届けします!
「フランス館ってどんな体験ができるの?」「混雑状況は?」そんな疑問をお持ちの方に、きっと新たな発見と、深い思索のきっかけがあるはず。ぜひ最後まで読んで、美しさと知性に満ちた未来像を感じてくださいね!
なぜ今、『フランス館』を選んだのか?~知性と感性の融合への期待~
大阪・関西万博には、本当に多種多様なパビリオンが立ち並んでいます。その中で、私がフランス館を訪れることを強く決意したのには、いくつかの理由があります。
一つは、フランスが長年培ってきた「知性と感性の融合」という文化への期待です。科学技術の進歩は目覚ましいものがありますが、フランスは常に、その根底に人間性や倫理、そして芸術性を置くことを重視してきた国だと感じています。万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に対し、彼らがどのような哲学的なアプローチで、未来の「いのち」を捉え、描くのかに非常に興味がありました。
二つ目は、「愛の讃歌」というテーマに強く惹かれたからです。フランスといえば思い起こされる印象に「愛」のイメージがあります。フランス館では、企業、アーティスト、科学者の提案を通じて様々な形で愛を表現していることもあり、そのアプローチをぜひ肌で感じてみたかったのです。
そして三つ目は、連日ニュースやSNSで流れてくる「フランス館は必見!」「美的センスが素晴らしい!」といった高評価です。混雑覚悟ででも、このパビリオンだけは絶対に体験したい!という強い思いがあり、万博全体のハイライトの一つとして確信していました。
これらの期待を胸に、いざフランス館へと向かいました。

『フランス館』へのアクセス
フランス館は、万博会場の中でも特に人気の高いパビリオンの一つです。
フランス館への入場は、事前予約制を導入しておらず、先着順で入館することができます。そのため、会場のオープンとともに毎日多くの人が並んでいます。
私は今回、時間をずらし夕方にフランス館の列に並んだため、比較的短い時間で入館することができました。
パビリオン外観とアプローチ:洗練と有機が調和した美しさ
フランス館ならではの、エレガントで洗練された美しさを表現したデザインが目を引きます。その外観は、シンプルでありながらも、どこか有機的で、周囲の自然と調和するような造形でした。
フランス館は、洗練されたモダンなスタイルで、市民に開かれた劇場の舞台装置であるかのような雰囲気を醸し出しています。また、来訪者を無限ループの通路で高みへと誘うことで神秘的な要素も残しています。
建物の左右の側面は完全にベールで覆われています。さまざまなスペースは、いずれもフランス館の持つ赤い糸で結ばれたコンテンツを提案するための場にもなります。
なお、パビリオンを涼しくするために完全に緑化された屋根は、イベント会場全体を囲む木製の輪である「リング」から見ることができます。




パビリオン内部体験:生命の深奥と、人間中心の未来を巡る思索の旅
フランス館内部は、いくつかのゾーンに分かれており、フランスが考える「愛の讃歌」というテーマを、体験を通して深く理解できるようになっています。
ルイ・ヴィトン
2階からスタートする展覧会では、「鼓動 」と書かれた赤く光るサインに迎えられます。『もののけ姫』の一場面を描いたタペストリーとノートルダム大聖堂を守るキマイラ像から、展覧会という物語に私たちは没入することが出来ます。
光の点滅とサウンドを感じる薄暗い空間から、一気に明るく輝くルイ・ヴィトンの技を伝える空間へ迎えられます。創業以来、ルイ・ヴィトンと日本は、互いを讃え合いノウハウを共有することで、 特別な関係を築いてきました。
ちょうどジャポニスムがパリを賑わせていた1870年代頃に、日本人外交官たちの間で注目されはじめ、1896年には日本の家紋がインスピレーション源とも言われるモノグラム・キャンバスが誕生しました。このことは、メゾンと日本との深いつながりの最初の証と言えます。




2つ目の空間は、 「トランクのスフィア」が訪れる人を幻想的な五感の旅へと誘います。映像作品を手掛けたのはアーティストの真鍋大度。ルイ・ヴィトンが掲げる旅物語をファンタジックに描いた、まさにヘリテージとイノベーションが交差する作品に仕上がっています。




その後は、ガストロノミーということもアートの一部と考えられ、ワインの産地アルザス地方の葡萄の生育からワインづくりをアニメーションで紹介され、「奇跡の庭園」と呼ばれる中庭にはプラントハンターの西畠清順がプロバンス地方で探し出してきた樹齢千年のオリーブの樹が堂々と鎮座し、生物科学の観点からも文化への眼差しを注いでいます。




ディオール ブルー・ホワイト・レッドが織りなす
ディオールは、パリのオートクチュールの卓越性を反映し、職人技と手仕事へのオマージュとして、ブルー、ホワイト、レッドの3つのバリエーションで展開されるディオールのエレガンスを象徴するタイムレスな「バー」スーツを展示されています。1949年にクリスチャン・ディオールがデザインし、パリ2024オリンピック・パラリンピックのために復刻された伝説的なトリコロールカラーのアンフォラ ボトルがそれぞれ、動きの美しさに対する賛辞を表現しています。




クチュリエになる前まで建築家を志していたというクリスチャン・ディオール。それを反映しているのが、「LADY DIOR AS SEEN BY」プロジェクトのために2024年に建築家の妹島和世が手がけた「レディ ディオール」になります。
シルエットのスケッチを立体的に表現した約400点の象徴的な白いトワルも幻想的で実に美しい。さらに中央では、日本人アーティストの高木由利子が制作した詩的なイメージが存在感を放ち、ディオールのモデルたちが生き生きとした動きで表現されています。




セリーヌ 「トリオンフ」の漆アートピースで日本の伝統美を表現
創業80周年を迎えるセリーヌにとって、日本は長年のパートナーであると共に、無限のインスピレーション源でもあります。1970年にサンモトヤマに1号店をオープンして以来、日本において事業を展開してをり、1978年から1987年まで国産の素材を用いて作られた特別な着物やパールのコレクションなど、様々なショーや発表会を東京で開催したこともあります。
このように、日本に対して常に期待と関心を向けてきたメゾンが今回の万博でフォーカスしたのは、アートと伝統の対話です。石川県輪島市に拠点を置き、伝統的な漆塗りの作品や美術品を制作する日本のアーティスト集団の彦十蒔絵とタッグを組み、漆塗りの”トリオンフ“アートピース3点を特別に制作しています。




漆器は、何千年もの間、日本の伝統や文化をつなぐ道具として使われてきました。彦十蒔絵は、現代の感覚やユーモアを作品に取り入れ、先人が残した大切な思いを後世に伝えています。
また、大阪・関西万博のために特別に制作された限定の「トリオンフ」バッグにも注目したい。黒、赤、金の3色は、彦十蒔絵が特別に製作した漆芸作品から着想を得ており、この3色を組み合わせることで、日本文化の最も伝統的な価値を表している。朱色は復活と再生、黒は雅と形式、金は太陽の光と自然を意味する色です。
貴重なレザーを使用し、内側にはラムスキンのライニングが施され、梅のモチーフの金箔押しを施しています。梅は、継続と長寿の吉祥を願って広く用いられてきた日本を象徴します。特別な限定品のしるしとして、それぞれのバッグにはリミテッドエディションナンバリングが施され、内側のライニングに金箔押しされています。




フランス館体験で感じたことと、その衝撃
フランス館を体験してみて、非常に刺激的で、知的に深く、そして心から癒やされる「体験」でした。
- 圧倒的な美意識と感性への訴えかけ: 常に芸術的な演出や、視覚・聴覚に訴えかける工夫が凝らされており、理屈だけでなく、感覚で未来を感じさせてくれるのが印象的でした。
- 哲学的な問いかけ: 生命倫理や、技術と人間の関係性など、深い哲学的な問いかけが随所に散りばめられており、単なる知識の吸収に留まらず、自分自身の価値観や未来への向き合い方を深く考えるきっかけを与えてくれました。これは、多くの万博パビリオンの中でも特に秀逸な点だと感じます。
- 運営の洗練と多言語対応: 開幕から時間が経ち、運営は非常にスムーズになっていました。スタッフの方々も、フランス語、英語、日本語を巧みに操り、国際的な万博の雰囲気を一層高めてくれました。
このパビリオンは、単なる技術展示ではなく、「未来を体験し、自ら問いを立て、希望を見出す場所」だと感じました。万博のテーマを最も深く、そして人間中心の視点で表現しているパビリオンの一つだと断言できます。
訪問を検討している方へ:フランス館攻略の鍵とアドバイス
フランス館は非常に人気が高く、スムーズに体験するためには事前の準備が不可欠です。
- 「開場ダッシュ」で!: 当日の万博開場と同時にフランス館へ直行しましょう。
- 公式アプリは必須アイテム!: 会場マップ、現在地、パビリオンのリアルタイム待ち時間、イベント情報、フード情報など、全ての情報が公式アプリで更新されます。万博を効率的に回るには、このアプリのフル活用が必須です。
- モバイルバッテリーは絶対に忘れずに!: スマホを一日中使うことになるので、モバイルバッテリーは必携です。
- 日差し対策と水分補給: 夢洲は非常に開けた場所なので、日差しを遮るものが少ないです。帽子や日焼け止め、サングラスなどの日差し対策は必須です。こまめな水分補給も忘れずに。
- 場所: 万博会場内。公式アプリのマップで確認しましょう。
- 体験時間: メインの体験は約30分。
- 入館料: 万博の入場券があれば、パビリオンの入場料はかかりません。(ただし、前述の通り入場には予約や整理券が必要です。)

総評:フランス館は、人間性と美が息づく「生命の詩」!
大阪・関西万博の『フランス館』は、私の期待をはるかに超える、非常に洗練され、深く、そして希望に満ちた「体験」でした。
生命の尊厳、技術と人間の関係性、そして文化が社会にもたらす豊かさ…。これらが、美しく、そして示唆に富んだ演出で表現されており、「いかに人間らしく、美しく生きるか」を追求するものであることを強く感じさせられました。
開幕から時間が経ち、運営はスムーズになっていましたが、このフランス館の根底にあるメッセージと、その体験の質は、会期中ずっと変わらないはずです。
もしあなたが大阪・関西万博を訪れるなら、どんなに混雑していても、ぜひフランス館を最優先で訪れることを強くおすすめします。
きっと、あなたの未来への視点が変わるような、そして人類の可能性と美意識に新たなインスピレーションを抱くような、そんな特別な体験が待っているはずです。このパビリオンで得た感動と、未来への問いかけを、これからの私自身に活かしていきたいと思います。
この記事が、あなたの『フランス館』訪問のきっかけとなれば嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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