「提案依頼書(RFP:Request For Proposal)」とは、発注企業が、情報システムの導入や業務委託を行う際に、具体的に提案して欲しい内容を記載し、受託企業に依頼した資料のことです。
一般的に依頼する際は、発注企業の情報システム部門が、PJT(プロジェクト)の全体像と、提案して欲しい要件などを、RFPに記載した上で、ベンダ(受託企業)に提案依頼をします。
PJT(プロジェクト)の全体像として、主に以下の内容を盛り込みます。
- PJTの背景
- PJTの目的
- 到達したい目標、成果
- 要望するスケジュール、リリース日
- PJTでターゲットする人物像
- 競合条件
提案して欲しい要件として、主に以下の内容を盛り込みます。
- PJTの中で依頼したい範囲
- 予算
- 対応依頼したい機能の要件
- 納品成果物の一覧
- 開発手法、運用方法
- チーム体制
次に、発注企業から、RFPで提案依頼を受けたベンダが、RFPを読み取り、発注企業が要望を元に提案書を作成し、提案します。
提案を受諾した発注企業は、ベンダからの提案を評価します。そして、最終的な発注先を選定し契約の締結をいたします。
◆確認問題
提案依頼書について、次の記述中のa〜cに入る
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問16
字句の適切な組合わせはどれか。
システム開発に関わる提案依頼書は通常、a が、
b に対して、c 、調達条件などを提示する文書
である。
a | b | c | |
ア | 情報システム 部門 | ベンダ | システム要件 |
イ | 情報システム 部門 | 利用部門 | システム要件 |
ウ | ベンダ | 情報システム 部門 | システム導入 実績 |
エ | ベンダ | 利用部門 | システム導入 実績 |
◆確認問題の解答(ア)、解説・・・上記解説で記載しているため、割愛
「要件定義」とは、「システム開発プロセス」の一部であり、(「システム開発プロセス」についてはこちらを参照下さい。)「システム開発」、「ソフトウェア開発」において、実装(開発)すべき機能、満たすべき性能を明確に定義をしていく作業工程になります。つまり、「業務要件」「機能要件」「非機能要件」を定義し、利害関係者と合意形成をする作業にもなります。上流工程の一部で、開発(実装)を始める前に行われます。
「業務要件」は、開発の初期の段階で定義され、現状を分析し、新たに実現すべき業務の流れを明らかにします。合意事項は、主に以下の通りです。
- 手順、入出力情報、組織、責任、権限などの業務特性
- ルール、制約などの業務特性
- 業界用語
- 外部環境と業務の関係、授受する情報
「機能要件」は、顧客が構築するシステムに求める機能のことです。合意事項は、主に以下の通りです。
- 画面
- 帳票
- バッチ
「非機能要件」は、顧客が機能面以外にシステムに求める要件のことです。合意事項は、主に以下の通りです。
- 稼働率、システム性能
- セキュリティ
- 保守サービス
◆確認問題
要件定義プロセスの不備に起因する問題はどれか。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問17
ア.システム開発案件の費用対効果の誤った評価
イ.システム開発案件の優先順位の誤った判断
ウ.システム開発作業の委託先の不適切な選択手続
エ.システムに盛り込む業務ルールの誤った解釈
◆確認問題の解答(エ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア:「費用対効果」は、企画プロセスでシステム化計画を立案する際に検討されます。
- イ:「システム開発案件の優先順位付け」は、企画プロセスでシステム化計画を立案する際に検討されます。
- ウ:「委託先の選定」は、取得プロセスで検討されます。
- エ: 正解です。「業務ルールの定義」は、要件定義プロセスで検討されます。
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