「暗号化資産」「HRTech」の解説
暗号化資産とは?
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「暗号資産」とは、物理的な実態のない電子データ資産で、法定通貨のように国等の保証はありません。そのため、全ての資産は主にブロックチェーンという仕組みで管理されています。インターネット上で、送金・決済に用いられ、世界中の取引所で法定通貨とまたは暗号資産同士の売買が行われています。

「暗号資産」は、インターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。
- 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
- 電子的に記録され、移転できる
- 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない
暗号資産の代表例として、「ビットコイン」や「イーサリアム」などがあります。暗号資産は、銀行等の第三者を介することなく、財産的価値をやり取りすることが可能な仕組みとして、注目を集めました。
暗号資産は、一般的に「交換所」や「取引所」と呼ばれる事業者から入手・換金することができます。暗号資産交換業は、金融庁・財務局の登録を受けた事業者のみが行うことができます。
また、暗号資産では、国家やその中央銀行によって発行された、法定通貨ではありません。裏付け資産を持っていないことなどから、利用者の需給関係などのさまざまな要因によって、暗号資産の価格が大きく変動する傾向にあります。
暗号化資産に関する問題
暗号資産に関する記述として,最も適切なものはどれか。
出典:令和3年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問25
ア. 暗号資産交換業の登録業者であっても,利用者の情報管理が不適切なケースがあるので,登録が無くても信頼できる業者を選ぶ。
イ. 暗号資産の価格変動には制限が設けられているので,価値が急落したり,突然無価値になるリスクは考えなくてよい。
ウ. 暗号資産の利用者は,暗号資産交換業者から契約の内容などの説明を受け,取引内容やリスク,手数料などについて把握しておくとよい。
エ. 金融庁や財務局などの官公署は,安全性が優れた暗号資産の情報提供を行っているので,官公署の職員から勧められた暗号資産を主に取引する。
◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア:暗号資産交換業は、金融庁・財務局の登録を受けた暗号資産交換業者でなければ行ってはなりません。登録を受けていない業者は違法業者になります。また、暗号資産交換業者には、資金決済法に基づき情報の安全管理措置が義務付けられていますが、違法業者はこれらを行っていない可能性が高いため、危険です。
- イ:暗号資産取引には、株式のようにストップ高、ストップ安という値幅制限がありません。また、実体的な価値がないため、価格が急落したり突然無価値になるリスクがあります。
- ウ:正解です。暗号資産交換業者は顧客に対し、取引の概要、手数料や報酬、元本欠損のおそれ、法定通貨でないこと、暗号資産の特性、相手がいない場合には換金できないことなど重要事項を告げなくてはいけません。利用者はこれらの説明を受け、暗号資産に関するリスク等の把握に努めることが必要です。
- エ:官公署が暗号資産に関するトラブルについて注意喚起を公開することはあっても、暗号資産取引を勧めることはありません。
HRTechとは?
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HRTechとは、Human Resources Technologyの略であり、人事・人材(Human Resources)とテクノロジー(Technology)とを組み合わせた造語です。人材採用や人材育成、人事評価といった人事領域に活用できる主にデジタル技術のことです。
HR Techは、人事に関するあらゆる業務で、最新のテクノロジーを活用して問題解決や効率化を図ります。具体的なテクノロジーとして、クラウドやビッグデータの解析、AIなどが挙げられます。
HR Techは近年日本で注目されています。日本では少子高齢化が進む年々労働人口が減少し、業務効率化による生産性の向上や、グローバル間での人材獲得競争が高まり、新たな人材の確保が企業の大きな課題となっています。
また、近年では、働き方の多様化が進み、副業を解禁する企業や、テレワーク(在宅勤務)で仕事をする人も増加しています。こうした課題や働き方に対応するためにHR Techの期待が高まっています。
HR Techの注目されているサービスとして、以下のような例として挙げられます。
- 人事評価システム:社員の実績や保有資格、過去に担当した案件などをデータベース化して管理できるシステムになります。社員の情報をまとめ一元管理でき、人事評価における判断材料として利用できます。全社員の技術力やスキルに関するデータを統計的に分析し、会社が新たに取り入れるべき技術やスキルを浮き彫りにすることもできるため、新規採用時の参考にもなります。
- 採用管理システム:人材採用シーンにおいて応募者の情報を管理するシステムになります。履歴書やES、選考状況などの情報管理に労力がかかります。これらの情報をデジタル化して保存・管理することで、選考業務の効率化や、人材採用におけるデータの参照・分析も行えます。
- 労務管理システム:労使に関する情報を管理するシステムになります。社員への給与支払い情報や年末調整に関する業務の一部を自動化など、労務に関する業務時間の短縮に繋がります。
- 勤怠管理システム:社員の勤怠情報を管理するシステムになります。出退勤の情報を集計する手間を省くことができ、打刻情報から給与の計算を行えます。社員が勤怠情報を手動で入力する必要がなくなるため、打ち間違えや打ち忘れなどを防止でき、社員の生産性向上に繋がります。
企業の人事機能の向上や,働き方改革を実現することなどを目的として,人事評価や人材採用などの人事関連業務に,AlやIoTといったITを活用する手法を表す用語として,最も適切なものはどれか。
出典:令和3年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問26
ア. e-ラーニング
イ. FinTech
ウ. HRTech
エ. コンピテンシ
◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア:「e-ラーニング」とは、PC・モバイル機器を用いて講義を視聴したり問題を解いたりするなど、ICT技術を活用して行う学習や教育方法の総称になります。
- イ:「FinTech」とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけた革新的な動きのことです。
- ウ:正解です。「HRTech」とは、人事管理にAIやIoTなど新しいICT技術を活用する手法になります。
- エ:「コンピテンシ(competency)」とは、ビジネスにおいて高い業績を上げる人材の思考傾向や行動特性のことになります。
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