アンゾフのマトリックスとは?
「アンゾフの成長マトリックス」とは、イゴール・アンゾフによって提唱され、企業が、事業・製品戦略を分類するためのフレームワークのことです。すなわち、自社の事業・製品戦略を決定するために利用されます。具体的には、「製品」と「市場」を軸に、それぞれ、「新規」と「既存」の2区分に分け、4つの象限に分類(第1象限:「市場浸透戦略」、第2象限:「新製品開発戦略」、第3象限:「新市場開拓戦略」、第4象限:「多角化戦略」)することで、それぞれの事業・製品に適した戦略を立てることができます。各象限の戦略の内容は次の通りです。
・市場浸透戦略(第1象限):既存の市場において、既存の製品を投入することで、売上高の増大、マーケットシェアの拡大を目指す戦略になります。しかし、長期間、戦略の効果を出し続けていくのは、難しいため、市場浸透戦略は最も難易度の高い戦略であるとも言われています。
・新製品開発戦略(第2象限):既存の市場において、新製品を投入することで、売上高の増大、マーケットシェアの増大を目指す戦略になります。コンビニ、食品(スーパ)、飲食業界で、よく見られる戦略であり、毎月のように、新たな製品を市場に投入していきます。
・新市場開拓戦略(第3象限):新規の市場において、既存の製品を投入することで、顧客や取引先などへの交渉力、スケールメリットを目指す戦略になります。既存の市場において、ターゲットとしていた顧客(年代)の属性から、新規の既存の市場とは異なった属性をターゲットとし、開拓することで、新たな市場を獲得します。
・多角化戦略(第4象限):新規の市場において、新製品を投入することで、自社が確保出来ていない、新たな収益機会の獲得を目指す戦略になります。未開拓の新規市場で、新規製品を投入するためには、新たな資源や知識が必要となります。そのため、成功率を向上させるために、企業買収(M&A)や業務提携によるアプローチを取る場合が多い傾向にあります。
アンゾフのマトリックス(平成31年問5)
◆確認問題
既存市場と新市場、既存製品と新製品でできるマトリックスの四つのセルに企業の成長戦略を表す市場開発戦略、市場浸透戦略、製造開発戦略、多角化戦略を位置を付けるとき、市場浸透戦略が位置付けられるのはどのセルか。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問5
ア. A イ.B ウ. C エ. D
既存製品 | 新製品 | |
既存市場 | A | B |
新市場 | C | D |
正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!(解答を記載しています。)
ア. A
正解です。
イ.B
不正解です。
ウ. C
不正解です。
エ. D
不正解です。
システム開発プロセスとは?
システム開発のプロセスは、一般的に、「システム化構想」「システム化計画」「要件定義(業務要件・機能要件・非機能要件の定義)」「システム開発」の順に進めていきます。各工程で実施している作業概要は、次の通りです。
・システム化構想:経営上のニーズ、課題点、問題点を確認するプロセスになります。新たな業務の全体像と、システムで新たな業務を実現するための「システム化構想」を策定します。
・システム化計画:上記で策定した「システム化構想」を具現化させます。具体的に、業務上の問題点を分析し、解決の方向性を明確化します。また、システムを構築した際の運用や効果など、実現性を考慮した「システム化計画」や、「プロジェクト計画」を策定し、利害関係者との合意を得ます。
・要件定義:システム化を実現するための組織や、システム化を実現する業務を明確にします。そして、その業務で使用している現行システムの機能や、現行業務を把握し、システムの移行、システム構築時の必要な環境等を定義することで、開発対象のシステムや制約条件などを明確にします。なお、このプロセスで、「業務要件」「機能要件」「非機能要件」の定義を行います。
・システム化開発:要件定義で合意された要件を、システム側へ技術的な要件へと変換し、システム、サービス、ソフトウェアなどの開発(製造)をします。
システム開発プロセス(平成31年問6)
◆確認問題
情報システム開発の工程を、システム化構想プロセス、システム化計画プロセス、要件定義プロセス、システム開発プロセスに分けたとき、システム化計画プロセスで実施する作業として、最も適切なものはどれか。
出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問6
ア.業務で利用する画面の詳細を定義する。
イ.業務を実現するためのシステム機能の範囲と内容を定義する。
ウ.システム化対象業務の問題点を分析し、システムで解決する課題を定義する。
エ.情報システム戦略に連動した経営上の課題やニーズを把握する。
正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!(解答を記載しています。)
ア.業務で利用する画面の詳細を定義する。
不正解です。
イ.業務を実現するためのシステム機能の範囲と内容を定義する。
不正解です。
ウ.システム化対象業務の問題点を分析し、システムで解決する課題を定義する。
正解です。
エ.情報システム戦略に連動した経営上の課題やニーズを把握する。
不正解です。
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