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「不正指令電磁的記録に関する罪」「会計の計算問題」「PPM」の解説

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「不正指令電磁的記録に関する罪」とは、コンピュータに、不正な指令を与える(使用者の意図とは関係なく、無関係に勝手に実行させる目的で)電磁的記録(コンピュータウィルス)などを作成、提供、取得、保管行為など、行うことに対して、罪として罰されることが、法律で定められています。なお、2011年の刑法改正(刑法168条の2及び、168条の3)で新設された犯罪類型です。

なお、「不正指令電磁的記録に関する罪」は、「ウィルス作成・提供罪」「ウィルス供用罪」「ウィルスの取得・保管罪」の罪があります。その詳細は次の通りです。

・ウィルス作成・提供罪:正当な目的がないのに、使用者の意図とは無関係に勝手に実行させるようにする目的で、コンピュータ・ウィルスのプログラムを作成、提供する行為に対して罰せられます。3年以下の懲役又は、50万円以下の罰金が課せられる犯罪になります。

・ウィルス供用罪:正当な目的がないのに、コンピュータ・ウィルスを、使用者の意図とは無関係に勝手に実行される状態にした場合や、その状態にしようとした行為に対して罰せられます。ウィルス作成・提供罪と同様、3年以下の懲役又は、50万円以下の罰金が課せられる犯罪になります。

・ウィルスの取得・保管罪:正当な目的がないのに、使用者の意図とは無関係に勝手に実行されるようにする目的で、コンピュータ・ウィルスやコンピュータ・ウィルスのソースコードを取得、保管する行為対して罰せられます。2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が課せられる犯罪になります。

◆確認問題

刑法には、コンピュータや電磁的記録を対象としたIT関連の行為を規制する条項がある。次の不適切な行為のうち、不正指令電磁的記録に関する罪に抵触する可能性があるものはどれか。
 ア.会社がライセンス購入したソフトウェアパッケージを、無断で個人所有のPCにインストールした。  
    イ.キャンペーンに応募した人の個人情報を、応募者に無断で他の目的に利用した。
    ウ.正当な理由なく、他人のコンピュータの誤動作を引き起こすウィルスを収集し、自宅のPCに保管した。
    エ.他人のコンピュータにネットワーク経由でアクセスするためのIDとパスワードを、本人に無断で第三者に教えた。

出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題  問24

◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:「著作権法」に違反する行為です。
  • イ:「個人情報保護法」に違反する行為です。
  • ウ:正解です。
  • エ:「不正アクセス禁止法」に違反する行為です。

まず、ITパスポート試験でよく出題される会計問題(計算)の用語を紹介して行きます。

・「売上高利益率」とは、売上高のうち何%を利益として生み出すことができたのかを示す指標です。「利益 ÷売上高」で算出されます。

・「資本回転率」とは、投下した資本(資産)に対して、どれだけの売上高を計上することができたか示す指標です。「売上高 ÷資本」で算出されます。

・「資本利益率」とは、「ROI」とも呼ばれます。投下した資本(資産)に対して、どれだけの利益を生み出すことができたかという指数で、収益性を示す指標「利益 ÷資本」で算出されます。

次に、確認問題を用いて、計算方法について解説を行います。

◆確認問題

企業の収益性分析を行う指標の一つに、”利益÷ 資本”で求められる資本利益率がある。資本利益率は、売上高利益率(利益÷ 売上高)と資本回転率(売上高÷ 資本)に分解して求め、それぞれの要素で分析することもできる。ここで、資本利益率が4%である企業の資本回転率が2.0回のとき、売上高利益率は何%か。
    ア. 0.08  イ. 0.5  ウ. 2.0  エ. 8.0

出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問25

確認問題では、「売上高利益率」「資本回転率」「資本利益率」を用いて計算すれば良い。「資本利益率(利益 ÷資本)」=「売上高利益率(利益 ÷売上高)」×「資本回転率(売上高 ÷資本)」が成立するので、題意より、「売上高利益率」×2.0回(「資本回転率」)=4%(「資本利益率」)も成り立つ。

よって、「売上高利益率」=4%÷2回 =2%が成立するので、選択肢ウが正解になります。

「PPM(project portfolio management)」とは、「プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント」と呼ばれ、複数の事業を行なっている企業が、経営資源の最適な分配をするための分析を行い、企業戦略に用いられるフレームワークです。

「PPM」では、企業が展開する製品、事業について、経営資源の配分を最適化する考え方を表します。市場成長率を縦軸、相対的市場占有率(横軸)として4つの象限(花形、金のなる木、問題児、負け犬)に分類し、製品、事業の特性を明確化する手法となります。

・花形(市場成長率:高、市場シェア:高):投資を継続し、次に記載する「金のなる木」を目指します。花形の市場環境は、市場成長率が高いため、魅力的な市場であり、競合他者が多く激しい競争が発生し、事業継続のためには、投資が必要になります。しかし、市場シェアが高いので、低コスト体質となり、利益が出やすい環境でもあります。

・金のなる木(市場成長率:低、市場シェア:高):出来るだけ利益を稼ぎ、他の事業(花形、問題児)に資金を回します。金のなる木の市場環境は、市場成長率が低いため、魅力的な市場ではなく、競合他者が少なく競争は発生せず、投資も必要はなくなります。さらに、市場シェアが高いので、低コスト体質となり、利益が出やすい環境でもあります。

・問題児(市場成長率:高、市場シェア:低):市場シェアを高めて花形を目指します。問題児の市場環境は、市場成長率が高いため、魅力的な市場であり、競合他者が多く激しい競争が発生し、事業継続のためには、投資が必要になります。さらに、市場シェアが低いので、高コスト体質となり、利益が出にくい環境でもあります。

・負け犬(市場成長率:低、市場シェア:低):即徹底の決断が必要です。負け犬の市場環境は、市場成長率が低いため、魅力的な市場ではなく、競合他者が少なく競争は発生せず、投資も必要はなくなります。しかし、市場シェアが低いので、高コスト体質となり、利益が出にくい環境でもあります。

◆確認問題

自社の商品についてPPMを作図した。”金のなる木”に該当するものはどれか。
 ア.A商品 イ. B商品 ウ.  C商品 エ. D商品

出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問26

◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:正解です。「金のなる木」に該当します。
  • イ:「花形」に該当します。
  • ウ:「負け犬」に該当します。
  • エ:「問題児」に該当します。
PPM

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