実用新案とは?
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皆さん、今日は知的財産権の一つである「実用新案」について学びましょう。

実用新案… 初めて聞く言葉です。どんな権利なんですか?

実用新案とは、簡単に言うと、物品の形状や構造に関するちょっとしたアイデアを保護する権利のことです。

物品の形状や構造… 例えば、どんなものが対象になるんですか?

例えば、文房具の使いやすさを改良したり、家具の組み立て方を工夫したり、そういった製品の構造や形状に関するアイデアが対象になります。

特許とは違うんですか?

良い質問ですね。特許も実用新案も、どちらも新しい技術的なアイデアを保護する権利ですが、いくつかの違いがあります。

どんな違いがあるんですか?

まず、対象とする技術のレベルが違います。特許は、より高度な「発明」を対象とするのに対し、実用新案は、比較的軽微な「考案」を対象とします。

考案… 発明より簡単なもの、ということですか?

そういうイメージで大丈夫です。また、審査の厳しさも違います。特許は、新規性や進歩性などについて厳格な審査が行われますが、実用新案は、基本的に無審査で登録されます。

審査がないんですか?

はい、無審査登録制度を採用しています。ただし、権利行使には、技術評価書の取得が必要です。

権利の存続期間も違うんですよね?

その通りです。特許の存続期間は出願日から20年ですが、実用新案の存続期間は出願日から10年と短くなっています。

なるほど。特許はより高度な技術を長く保護する権利で、実用新案は比較的簡単なアイデアを短く保護する権利、というイメージですね。

よく理解できましたね!実用新案は、製品のちょっとした改良などを手軽に保護したい場合に有効な権利です。

実用新案の概要
実用新案とは、物品の形状、構造又は組合せに係る考案を保護する知的財産権の一種です。
簡単に言うと、製品の形状や構造などに関する、比較的軽微な改良や考案を保護する権利です。特許権が「発明」を対象とするのに対し、実用新案権は「考案」を対象とします。
実用新案の特徴
- 保護対象: 物品の形状、構造又は組合せに係る考案
- 目的: 物品の利用性を向上させる考案の保護
- 存続期間: 出願日から10年
- 審査: 基本的に無審査登録制度(ただし、権利行使には技術評価書の取得が必要)
特許との違い
実用新案と特許は、どちらも技術的なアイデアを保護する知的財産権ですが、いくつかの違いがあります。
- 対象:
- 特許:発明(高度な技術的思想の創作)
- 実用新案:考案(物品の形状、構造、組合せに係る技術的思想の創作)
- 技術の程度:
- 特許:高度な発明
- 実用新案:比較的軽微な考案
- 審査:
- 特許:新規性、進歩性などについて審査が行われる
- 実用新案:基本的に無審査登録制度
- 存続期間:
- 特許:出願日から20年
- 実用新案:出願日から10年
実用新案に関する問題(令和6年問35)
実用新案に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア. 今までにない製造方法は、実用新案の対象となる。
イ. 自然法則を利用した技術的思想の創作で高度なものだけが、実用新案の対象となる。
ウ. 新規性の審査に合格したものだけが実用新案として登録される。
エ. 複数の物品を組み合わせて考案した新たな製品は、実用新案の対象となる。
出典:令和6年度 ITパスポート試験公開問題 問35
正しいと思う選択肢をクリックしてみてください!!!
ア. 今までにない製造方法は、実用新案の対象となる。
不正解です。
イ. 自然法則を利用した技術的思想の創作で高度なものだけが、実用新案の対象となる。
不正解です。
ウ. 新規性の審査に合格したものだけが実用新案として登録される。
不正解です。
エ. 複数の物品を組み合わせて考案した新たな製品は、実用新案の対象となる。
正解です。
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