「AR（拡張現実）」の解説 〜 ITパスポート R6年 問25 〜

AR（Augmented Reality、拡張現実）とは、現実世界の情報にデジタル情報を重ねて表示することで、現実世界を拡張する技術のことです。

AR（拡張現実）とは？

AR（拡張現実）の概要

AR（Augmented Reality、拡張現実）とは、現実世界の情報にデジタル情報を重ねて表示することで、現実世界を拡張する技術のことです。

例えば、スマートフォンのカメラを通して見た現実の風景に、地図情報や店舗情報などを重ねて表示したり、ゲームキャラクターを現実の空間に登場させたりすることができます。

ARの仕組み

ARは、主に以下の技術を組み合わせて実現されています。

位置情報・センサー技術

• GPS：現在地の緯度経度を特定
• 加速度センサー：端末の傾きや動きを検出
• ジャイロセンサー：端末の回転を検出
• カメラ：現実世界の映像を認識

画像認識・物体認識技術

• カメラで撮影した映像から、特定の画像や物体を認識
• 認識した情報に基づいて、デジタル情報を重ねて表示

ディスプレイ技術

• スマートフォンの画面やスマートグラスなど
• 現実世界の映像とデジタル情報を同時に表示

ARの種類

ARは、表示方法や技術によっていくつかの種類に分類できます。

マーカー型AR

• 特定のマーカー（QRコードなど）をカメラで認識
• マーカーの位置や向きに基づいて、デジタル情報を表示

マーカーレス型AR

• GPSやカメラの画像認識技術を利用
• 現実世界の風景や物体を認識し、デジタル情報を表示

ロケーションベースAR

• GPSや位置情報サービスを利用
• 現在地周辺の店舗情報や観光情報などを表示

プロジェクションAR

• プロジェクターを利用
• 現実世界の物体に直接デジタル情報を投影

ARのメリット

ARは、私たちの生活やビジネスに様々なメリットをもたらします。

情報の取得・理解の促進

• 現実世界に重ねて情報を表示することで、直感的で分かりやすい情報提供が可能
• 地図アプリやナビゲーションなどで、目的地までの経路を分かりやすく表示

エンターテインメント性の向上

• ゲームやイベントなどで、現実世界とデジタル世界を融合した新しい体験を提供
• 観光地などで、歴史的な建造物の復元映像などを表示

教育・訓練効果の向上

• 現実世界の物体に操作手順や解説を表示することで、実践的な学習が可能
• 医療現場などで、患者の体内情報を可視化し、手術のシミュレーションなどに活用

業務効率の向上

• 製造現場などで、作業手順や部品情報を表示し、作業効率を向上
• 物流現場などで、商品のピッキングや在庫管理を効率化

ARのデメリット

一方で、ARには以下のようなデメリットも存在します。

技術的な制約

• デバイスの性能やバッテリー消費、ネットワーク環境などに制約がある
• 画像認識技術の精度や処理速度に課題がある

プライバシーの問題

• カメラや位置情報などを利用するため、個人情報漏洩のリスクがある
• 周囲の人のプライバシーを侵害する可能性がある

倫理的な問題

• 現実世界とデジタル世界の境界が曖昧になることで、倫理的な問題が生じる可能性がある
• 過剰な情報表示による情報過多や、現実逃避などを引き起こす可能性がある

ARの活用事例

ARは、様々な分野で活用されています。

ゲーム・エンターテインメント

• ポケモンGOなどの位置情報ゲーム
• ARを活用したアトラクションやイベント

観光・ナビゲーション

• 観光地の案内アプリ
• ARを活用したナビゲーションアプリ

教育・訓練

• ARを活用した教材やシミュレーション
• 医療現場での手術支援システム

製造・物流

• ARを活用した作業支援システム
• ARを活用したピッキングや在庫管理システム

小売・マーケティング

• ARを活用した試着や商品紹介
• ARを活用した広告や販促キャンペーン

ARに関する問題（令和6年問25）

史跡などにスマートフォンを向けると、昔あった建物の画像や説明情報を現実の風景と重ねるように表示して、観光案内をできるようにした。ここで活用した仕組みを表す用語として、最も適切なものはどれか。

　ア.   AR

　イ.   GUI

　ウ.    VR

    エ.   メタバース

出典：令和6年度 ITパスポート試験公開問題 問25

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