「シュリンクラップ契約」の解説

シュリンクラップ契約とは?

「シュリンクラップ契約」とは、使用許諾契約の内容を表面に印刷したパッケージを、透明フィルムによって包装しておき、ユーザーがこの透明フィルムを破いた時点で使用許諾契約を成立させる契約方式のことです。主にビジネス用のパッケージソフトウェアに用いられていられています。

なお、「シュリンクラップ」(shrink wrap)とは商品の入った箱やケースに密着して全体を覆う透明なフィルムのことを指します。

通常使用許諾書の締結には、文書や署名を交わす手続きをとることが一般的になります。しかし、ライセンス販売の場合は、多くのユーザーを個別に相手にする必要があり、小売店を通して販売されることが多いので、個々に契約書作成の方式は困難になります。包装を開封することで、契約への同意とみなすシュリンクラップ契約は、通常の契約形態の煩雑さ省くことができるため、市販のパッケージソフトの販売方式を中心として広く採用されています。

ちなみに、ソフトウェアをオンラインで入手する際に「許諾内容に同意する」ボタンをクリックする行為は、クリックラップ契約などと呼ばれます。

シュリンクラップ契約は、従来の契約に比べ様々な手間を省くことができるが、ユーザー側で「許諾書に同意した」という意識が希薄になるなどの問題点を持っています。そのため、米国では2000年にシュリンクラップ契約の有効性について裁判が行われ、ワシントン州最高裁はシュリンクラップ契約が有効であると判決を下していますが、連邦法の規定や連邦裁の判決などはありません。

なお、日本では法的根拠や判例等もなく、法的にはグレーゾーンにあるとされています。

シュリンクラップ契約に関する問題

市販のソフトウェアパッケージなどにおけるライセンス契約の一つであるシュリンクラップ契約に関する記述として,最も適切なものはどれか。

ア.  ソフトウェアパッケージの包装を開封してしまうと,使用許諾条件を理解していなかったとしても,契約は成立する。

イ.  ソフトウェアパッケージの包装を開封しても,一定期間内であれば,契約を無効にできる。

ウ.  ソフトウェアパッケージの包装を開封しても,購入から一定期間ソフトウェアの利用を開始しなければ,契約は無効になる。

エ.  ソフトウェアパッケージの包装を開封しなくても,購入から一定期間が経過すると,契約は成立する。

出典:令和4年度 ITパスポート試験公開問題 問14

◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:正解です。「シュリンクラップ契約」では、使用許諾条件の内容を知っているかどうかに関わらず、包装を開封した時点で契約内容を承諾したのと同じ法律効果を生じることができます。
  • イ:「シュリンクラップ契約」は、原則、開封後に契約を無効にすることはできません。未使用であれば返品できる旨の条項が使用許諾契約に含まれていることもありますが、使用開始した場合には無効にすることができません。
  • ウ:「シュリンクラップ契約」は、開封時点で契約が成立し、使用しなくても契約は有効に存続することができます。自動的に無効になることはありません。
  • エ:「シュリンクラップ契約」は、契約成立は開封時点のため、購入後に開封しなければ契約は成立しません。