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第19回 統計数理講座「検定法の導出」 〜 仮説検定 ② 〜

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本講座では、統計の基本から応用までの知識を身に付けることができる講座になっております。そこで、第19回では、「仮説検定 ② 」として、統計学の知識として必要な確率と、確率変数について紹介していきます。(高校数学を履修していること(高校数学レベルの数学が身についていること)が、前提の講座になっています。)

今回は、前回(第18回)の講座の続きになります。以下リンク先を参照下さい。

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対立仮説が幅広い状態を含むとき、一様最強力検定を作ることは難しいにしても、対立仮説が単純仮説であれば、対立仮説に関して他の有意水準αの検定よりも検出力が高い検定を構成することはできないのではないかという疑問が出てきます。

上記の疑問に対する答えの1つが、次のネイマン-ピアソンの基本定理になります。f(x;θ)をパラメータがθの時のXの確率密度関数とし、1は棄却、0は受容、rは(0,1)区間の一様分布に従う確率変数Yが0<Y<rの時に棄却することが意味します。

ネイマン-ピアソンの基本定理は、単純帰無仮説対単純対立仮説の場合から、対立仮説が一般的な場合へ拡張することができます。

帰無仮説が一般的な場合に拡張したのが、以下の「単調尤度比と一様最強力検定」の定理になります。この定理を説明するために、「単調尤度比」について定義します。

一般に一様最強力検定は存在しないが、検定を自然なクラスに限定すると、そのクラスの中では、一様最強力である検定が存在する場合があります。そのための概念として、不偏性として定義します。

一様最強力不偏検定の存在について、指数型分布族という分布の種類を考えます。

一様最強力検定や一様最強力不偏検定のような望ましい性質を持つ検定は、仮説構造が単純であったり、パレメータが1次元であったり、Xが指数分布族と呼ばれる分布の種類に属するという条件のもとで、その存在が保証されているが、一般にこのような条件が常に満たされているわけではない。

そこで、より一般的な条件のもとで使用可能な合理的な構成方法があれば、便利である。以下の尤度比検定の原理はこのような方法の中で代表的なものの1つである。

尤度比検定の原理を応用した例として、以下の問題を考えてみます。

上記の例では、F分布を利用した検定(F検定)に帰着したが、ほとんどの場合はこの結果になれない。従って、与えられた有意水準に合わせて棄却域を決めるのは理論的に難しい。

しかし、尤度比検定については、帰無仮説のもとで、対数尤度比を2倍したものがカイ二乗分布に分布収束することが知られており、近似的な棄却限界を決めることができます。

◆出題用語(本講座で出題された用語をまとめます。下記用語の意味がわからない場合は本講座を復習してみてください。)

  • ネイマン-ピアソンの基本定理
  • 単調尤度比
  • 単調尤度比と一様最強力検定
  • 不偏性
  • 一様最強力不偏検定
  • 指数型分布
  • 指数型分布と一様最強力不偏検定
  • 尤度比検定
  • 尤度比
  • F分布
  • F検定
ネイマン-ピアソンの基本定理

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