第16回 統計数理講座「情報量基準」「漸近的性質」 〜 統計的推定 ⑥ 〜

本講座では、統計の基本から応用までの知識を身に付けることができる講座になっております。そこで、第16回では、「統計的推定 ⑥」として、統計学の知識として必要な確率と、確率変数について紹介していきます。(高校数学を履修していること(高校数学レベルの数学が身についていること)が、前提の講座になっています。)

今回は、前回(第15回)の講座の続きになります。以下リンク先を参照下さい。

また、これから上記の2つの分布が一致する時に限り最小値0となることもわかり、分布間の近さの基準として使用することができます。

無作為抽出の標本に関する標本平均は、大数の法則により、母平均への一致性が保証されます。また、標本サイズが十分大きい時、中心極限定理によりそれに従う分布が正規分布で近似できるものである。

このように、標本サイズが十分大きい極限において、推定量をはじめとする各種の統計量の性質を調べる統計理論を統計的漸近理論(漸近理論)と呼びます。また、標本サイズに関する極限ではなく、標本サイズを固定した上で、統計理論を有限標本の理論と呼びます。

最尤推定量の漸近有効性は標本サイズが大きい極限では、最尤推定量はクラメール-ラオの下限を達成すること(有効性)を示すため、漸近有効性と呼ばれます。分布の台(存在範囲)がパラメータによらない場合、最尤推定量の一致性、漸近正規性、漸近有効性が成立します。

最尤推定量は、漸近正規性を持っていたが、他にも標本平均や標本分散のように中心極限定理により、容易に漸近正規性を持つとわかる推定量や統計量があります。

◆出題用語(本講座で出題された用語をまとめます。下記用語の意味がわからない場合は本講座を復習してみてください。)

  • カルバック-ライブラー情報量
  • 未来の標本
  • 統計的漸近理論
  • 漸近理論
  • 有限標本の理論
  • 最尤推定量の漸近正規性
  • 最尤推定量の漸近有効性 
  • 漸近有効性
  • デルタ法