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「ITIL」「スコープ記述書」の解説

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ITILとは?

「ITIL」とは、「Information Technology Infrastructure Library」の略であり、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめ、ITサービス管理の考え方を整理したもので、ITサービス管理のフレームワークのことです。なお、2019年現在の最新バージョンは「ITIL 2011」です。

「ITIL」では、サービス・ライフサイクルを5つの段階(ストラテジ、デザイン、トランジション、オペレーション、継続的サービス改善)で構成されています。

ここで、「ITIL」のライフサイクルの段階とその概要について、紹介します。

  • サービスストラテジ(戦略):顧客の事業成果を達成するために、どのようなITサービスを提供するか、ITサービスをどのように管理するかの戦略を決定します。「需要管理」、「財務・コスト管理」、「ポートフォリオ管理」、「事業関係管理」などが含まれます。
  • サービスデザイン(設計):「サービスストラテジ」で、決定した戦略の実現に向けて、新規ITサービスの投入、既存ITサービスの変更に向けた設計を行います。安全に本番環境に導入し、品質や顧客満足度、費用対効果の優れたITサービスを提供できるように、プロセス、方針、ITサービスを設計します。「サービスカタログ管理」、「可用性管理」、「キャパシティ管理」、「ITサービス継続性管理」、「サービスレベル管理」、「サプライヤ管理」などが含まれます。
  • サービストランジション(移行):「サービスデザイン」で設計されたサービスを、運用の段階に移行する際のリスクをコントロールします。「移行計画の立案」、「変更管理」、「サービス資産管理」、「構成管理」、「リリース管理」、「展開管理」、「サービスの妥当性確認」、「ナレッジ管理」などが含まれます。
  • サービスオペレーション(運用):サービスデザインで合意されたサービスレベルに基づき、顧客・ユーザーに対してITサービスを提供します。「インシデント管理」、「要求実現」、「問題管理」などのプロセス、「サービスデスク」、「技術管理」、「アプリケーション管理」、「IT運用管理」の機能が含まれます。
  • 継続的なサービス改善:将来にわたり事業ニーズの変化に対応し、有効性・効率性の高いITサービスを提供するために、提供しているITサービスのパフォーマンスを測定・分析・レビューし、継続的な改善を行われます。

ITILに関する問題

◆確認問題

ITサービスマネジメントのフレームワークはどれか。
    ア. IEEE
    イ. IETF
    ウ. ISMS
    エ. ITIL

出典:令和元年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問50

◆確認問題の解答(エ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:「IEEE」は、「Institute of Electrical and Electronics Engineers」の略であり、本部は米国で、電気工学・電子工学技術分野における標準化活動を行う組織です。
  • イ:「IETF」は、「Internet Engineering Task Force」の略であり、TCP/IP・HTTP・SMTPなど、インターネット上で開発される技術やプロトコルなどの標準化を行う組織です。
  • ウ:「ISMS」は、「Information Security Management System」の略であり、「情報セキュリティマネジメントシステム」の管理・運用に関する仕組みで、「JIS Q 27001 (ISO/IEC 27001)」の基となった規格です。
  • エ:正解です。「ITIL」は、「IT サービスマネジメント」のフレームワークです。

プロジェクトスコープ記述書とは?

「プロジェクトスコープ記述書」とは、プロジェクト憲章や要求事項文書の内容をもとに、プロジェクトでの実施範囲、主要な成果物、前提条件や内外の制約条件などを記述した文書のことです。 

「プロジェクトスコープ記述書」は、「WBS(Work Breakdown Structure)」を作成の基になります。また、プロジェクト実行中においては、変更要求や追加作業がプロジェクトの境界内外のいずれに該当するかを判断する基準として用いられます。

なお、「プロジェクトスコープ記述書」には、以下の事項が記述されています。

  • プロジェクト成果物スコープ(範囲)
  • プロジェクト作業スコープ(範囲)
  • 成果物受入基準
  • プロジェクトの除外事項
  • プロジェクトの制約条件
  • プロジェクトの前提条件

プロジェクトスコープ記述書に関する問題

◆確認問題

プロジェクトマネジメントにおいて,プロジェクトスコープを定義したプロジェクトスコープ記述書に関する説明として,適切なものはどれか。
 ア. 成果物と作業の一覧及びプロジェクトからの除外事項を記述している。
    イ. 成果物を作るための各作業の開始予定日と終了予定日を記述している。
    ウ. プロジェクトが完了するまでのコスト見積りを記述している。
    エ. プロジェクトにおける役割,責任,必要なスキルを特定して記述している。

出典:令和元年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問51

◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:正解です。「プロジェクトスコープ記述書」の説明です。
  • イ:「プロジェクトマネジメント計画書」の説明です。
  • ウ:「コストマネジメント計画書」の説明です。
  • エ:「人的マネジメント計画書」の説明です。
ITIL

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