「バリューチェーン分析」「AI(人工知能)」の解説

2021年9月3日

「バリューチェーン」とは、原材料を調達してから、商品やサービスが顧客の元に届くまで、企業が行う活動の連鎖をモノの連鎖として捉えるだけでなく、価値の連鎖として捉え、どの工程で、どの程度の付加価値(バリュー)を出しているか、分析をするためのフレームワークのことです。1985年に、マイケル・E・ポータ(ハーバード大学経営学部教授)が著作の本「競争優位の戦略」にて、提唱しました。

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なお、「バリューチェーン」は、「主活動」と「支援活動」に分類して、分析を行います。

主活動とは、製品が顧客のもとに到達するまでの流れと、直接関係する活動のことです。(例:購入、物流、出荷、販売、サービス)

支援活動とは、主活動を支えている活動のことです。(例:インフラストラクチャー、人事・労務管理、技術管理、調達活動)

次に、ここで「バリューチェーン」分析の手順を、紹介していきます。

  1. 自社の「バリューチェーン」を把握します。(自社で行う「主活動」と「支援活動」を把握します。)
  2. ビジネス活動で発生するコストを把握します。(ビジネス活動それぞれに対し、コストや時間をどの程度投資しているかを把握します。)
  3. 自社の強み、弱みを分析します。
  4. 自社のバリューチェーンに対し、VRIO分析を行います。

「VRIO分析」とは、Value(価値)、Rareness(希少性)、Inimitability(模倣可能性)、Organization(組織)の頭文字から構成されており、この四つの観点から分析する(自社の保有する経営資源の競争優位性を分析する)ためのフレームワークです。

  • Value:その経営資源は価値があるものか。
  • Rareness:その経営資源に希少性はあるか。
  • Inimitability:その経営資源は他社から真似される可能性がないか。
  • Organization:その経営資源を生かす組織体制になっているのか。

◆確認問題

バリューチェーン分析では、企業の活動を、企業の価値に直結する主活動と、主活動全体を支援して全社的な機能を果たす支援活動に分けて分析する。コンピュータ関連機器の製造と販売を行うA社は、部材の購買、機器の設計と製造、商品の出荷、販売とマーケティング、アフターサービスの五つの領域を主活動に、その他の活動領域を支援活動に分類した。企業活動で利用する情報システムのうち、主にA社の支援活動に利用されるものはどれか。
 ア.CAD/CAM(Computer Aided Design/ Computer Aided Manufacturing)
 イ.CRM(Customer Relationship Management)
   ウ.HRM(Human Resource Management)
   エ. SFA(Sales Force Automation)

出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問22

◆確認問題の解答(ウ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:CAD/CAMとは、コンピュータを利用し、設計から生産を一貫して行うことです。(CADとは、コンピュータを設計・デザインすることです。CAMとは、コンピュータを利用して製品の製造・加工を行うことです。)A社の主活動である「機器の設計と製造」に利用されるものです。
  • イ:CRMとは、顧客関係管理と訳され、顧客の情報を収集・分析し、最適化を行い、自社の競争力を高める経営手法のことである。A社の主活動である「アフターサービス」に利用されるものです。
  • ウ:HRMとは、人的資材管理、人材マネージメントと訳され、人材を経営資源と捉え、有効活用するための仕組みを体系的に構築・運用することです。A社の主活動にHRMを利用する業務はないため、支援活動(人事・労務管理)に利用されるものになります。
  • エ:SFAとは、営業活動自動化と訳され、顧客情報を用いて案件情報や、商談情報、見込み客や顧客との折衝情報を入力することで、営業ノウハウを蓄積し、営業活動を効率化するのに用いられます。A社の主活動である「販売とマーケティング」に利用されるものです。

AIとは?

「AI(Artificial Intelligence)」とは、人間と同様な知的能力(言語の理解、推論、問題解決など)を持ち、コンピュータで行わせるための技術です。また、日本語名で人工知能とも呼ばれます。

ここで、AI活用事例の一部を紹介します。

  • 将棋:将棋AIが、プロ棋士を破りました。
  • 自動運転:画像認識技術で自律走行できる自動車が開発されています。
  • ロボット:AIを用いて、ユーザの悲しみや共感、喜びを分かち合うことが出来るロボットが開発されています。

◆確認問題

プロの棋士に勝利するまでに将棋ソフトウェアの能力が向上した。この将棋ソフトウェアの能力向上の中核となった技術として、最も適切なものはどれか。
   ア. VR  イ. ER  ウ. EC  エ.AI 

出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問23

◆確認問題の解答(エ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:「Virtual Reality」の略です。コンピュータなどで、創出した世界をコンピュータグラフィックスなどを利用し、ユーザに体験させる技術です
  • イ:IT関連で「ER」といえば、「E-R図(実体関連図)」を指します。E-R図は、データモデリングで使われます。
  • ウ:「Electronic Commerce」の略です。コンピュータネットワークを利用して、行われる電子商取引のことです。
  • エ:正解です。