「オフショア開発」「ファシリティマネジメント」の解説

2020年12月13日

「オフショア開発」とは、情報システムやソフトウェア、Webシステムの開発などの業務を、海外の事業者や海外子会社に委託・発注することです。

多くの場合、本国(日本)で、営業、企画、顧客との打合せ、要件定義、設計、納品、サポートなど、顧客に近い業務を行い、海外(新興国など)で開発(実装)、テストなどの業務を行う形で分業する。

「オフショア開発」は、先進国の企業が、開発コスト削減のため、人件費、事業費のコストが安い新興国の企業を活用する手法です。当初は、英語圏の国で行われ、その後日本を含む世界各国へ広まっていったと言われています。

ここで、オフショア開発のメリットを紹介します。まず、一番の目的である「コスト削減」です。新興国の人件費は、先進国の数分の一程度のことが多いため、大幅なコスト削減も可能です。二点目のメリットは、「リソース(要員)」の確保です。近年、日本国内では、IT人材不足と言われています。そのため、要員確保できる点も大きなメリットであると言われています。

メリットだけでなく、オフショア開発を実施すると課題が生じます。距離、時差、言語の違いによって、打ち合わせ不足、進捗状況の確認に時間がかかる、要件、仕様の理解不足(認識相違)が発生します。さらに、文化や国民性による認識齟齬(価値観や文化の違い)により、業務に対する認識の違いが生じ、日本のやり方を押し付けるとチームの業務を円滑に運営できなくなる場合もございます。

なお、日本でオフショア開発として、進出している主な国は、中国、インド、ベトナム、インドネシアが挙げられます。比較的人件費の安い、新興国が中心になっています。

◆確認問題

安価な労働力を大量に得られることを狙いに、システム開発を海外の事業者や海外の子会社に委託する開発形態として、最も適切なものはどれか。
 ア.ウォータフォール開発
   イ.オフショア開発
   ウ.プロトタイプ開発
   エ.ラビッドアプリケーション

出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問48

◆確認問題の解答(イ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:「ウォータフォール開発」とは、一般的な開発で用いられ、「要件定義」「外部設計」「内部設計」「実装」「テスト」という工程に分け、段階を得て行う方法です。前の工程に戻らない前提で、上流から下流に流れる水の流れに例え、ウォータフォールと呼ばれています。
  • イ:正解です。
  • ウ:「プロトタイプ開発」は、プロジェクトの早期の段階で試作品(プロトタイプ)を製作することで、その試作品を顧客(ユーザ)に確認し、評価をしてもらうことで、アプリの仕様を確定することです。
  • エ:「ラビッドアプリケーション」は、少人数のチームで試作品(プロトタイプ)を繰り返し製作し、評価、改良することで、順次完成度を高めていく、開発手法です。

「ファシリティ・マネジメント」とは、企業や組織などが保有する施設やそれらの利用環境を経営戦略的視点から、総合的に企画、管理、活用する経営活動のことです。なお、「ファシリティ・マネジメント」は、アメリカ発祥の新しい経営管理方式であり、2018年4月24日にISO41001が、国際標準化機構より発行されました。

ここで、「ファシリティ・マネジメント」の目的を紹介します。主に、次の点が挙げられます。

  • 維持、保全のみでなく「より良いあり方」を追求すること。
  • 経営資源としてのファシリティ(施設や環境)を有効に活用すること。
  • ファシリティマネジメント(施設や環境の管理)業務を効率的に運用すること。
  • ファシリティ(施設や環境)利用者の満足度が向上し、知的生産性を向上させること。

最後に、「ファシリティ・マネジメント」の効果を紹介します。主な効果は、次の通りです。

  • 不要な施設、不足な施設、不適当な使われ方の施設が明らかになり、経営にとって最適な施設のあり方が示されます。
  • 施設の改革によって、経営の効率が最高度に向上します。
  • 同時に施設に関わるコストを採用に押さえる事ができます。
  • 顧客、従業員その他の施設利用者にとって、快適・魅力的な施設を実現します。
  • 省エネルギーを実現し、環境問題にとって効果的な解決手段となります。

◆確認問題

情報システムの施設や設備を維持・保全するファシリティマネジメントの施策として、適切なものはどれか。
 ア.インターネットサイトへのアクセス制限
   イ.コンピュータウィルスのチェック
   ウ.スクリーンセーバーの設定時間の標準化
   エ.電力消費量のモニタリング

出典:平成31年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問49

◆確認問題の解答(エ)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア:セキュリティ向上のため、「情報セキュリティマネジメント」の施策です。
  • イ:セキュリティ向上のため、「情報セキュリティマネジメント」の施策です。
  • ウ:離席時の不正利用を防止するため、「情報セキュリティマネジメント」の施策です。
  • エ:正解です。