「管理図」「オブジェクト指向」の解説

管理図とは?

「管理図」とは、 生産管理において、品質や製造工程が安定な状況で管理されている状態にあるかどうかを判定するために使用するグラフになります。時間ごとの状態をグラフ上に配置し、従来までの傾向と異なるデータや管理限界線を逸脱したデータの有無から異常の発生を判定します。

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「管理図」は、主に生産現場の品質管理(QC)のために使われるツールになります。品質管理における管理図とは、製品の品質管理において、製造工程が安定しているかを判断するために、品質のばらつきを分析・管理するためのグラフになります。主に生産現場などで利用され「QC7つ道具」のひとつになります。

製品の品質にばらつきが起こる原因として、偶然原因と異常原因を上げることができます。

  • 偶然原因:標準的な方法で製造しているのに生じる、やむを得ない品質のばらつき
  • 異常原因:標準的な方法が守られていないなど、工程に異常が生じているために起こる品質のばらつき

偶然原因と異常原因は、アメリカ・ベル研究所のシューハート博士によって発案された考え方になります。シューハートは、品質管理には異常原因が発生していない状態の維持が必須であると主張し、異常原因の発生を分析するツールとして管理図を導入しました。

ここで、管理図の構成を紹介します。管理図は次の要素から構成されます。

  • 中心線(平均値)
  • 上方管理限界線(UCL)
  • 下方管理限界線(LCL)

管理図の利用例として、製造工程が安定していれば、サンプルデータの数値は99.7%が、標準偏差の±3倍(±3σ)内に収束するとします。そのため、管理図では、中心線から+3σ上に上方管理限界線と、ー3σ下に下方管理限界線を引きます。

そして、サンプルデータの数値を点するグラフをつくり、各点が上方・下方管理限界線内に収まっているかどうかで品質のばらつきを判断します。

各点が2つの線(上方管理限界線・下方管理限界線)を飛び越えたり、並び方がおかしかったりする場合、異常原因が発生していると判断可能になります。

管理図に関する問題

同一難易度の複数のプログラムから成るソフトウェアのテスト工程での品質管理において,各プログラムの単位ステップ数当たりのバグ数をグラフ化し,上限・下限の限界線を超えるものを異常なプログラムとして検出したい。作成する図として,最も適切なものはどれか。
 ア. 管理図
    イ. 特性要因図
    ウ. パレート図
    エ. レーダチャート

出典:令和3年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問40

◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア(管理図):正解です。「管理図」とは、工程の状態や品質を時系列に表した図のことで、工程が安定した状態にあるかどうかを判断するために用います。例として、日ごとに不良品の個数を記録し、統計的に求めた上方管理限界と下方管理限界を超えた位置に値が記録された場合には、その日に何らかの異常が発生していることがわかります。
  • イ(特性要因図):「特性要因図」とは、特性とそれに影響を及ぼしたと思われる要因の関係を体系的に表わした図になります。直接的な原因と間接的な原因に分別し、真の問題点をはっきりさせる効果があります。
  • ウ(パレート図):「パレート図」とは、値の大きい順に分析対象の項目を並べた棒グラフと、累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフで、主に複数の分析対象の中から、重要な要素を識別するために用いられます。
  • エ(レーダチャート):「レーダチャート」とは、複数項目の基準値に対する比率をプロットし、各点を線で結んだ形状によって、全体のバランスを比較するのに適した図になります。

オブジェクト指向とは?

「オブジェクト指向」とは、コンピュータプログラムの設計や実装についての考え方の一つで、互いに密接に関連するデータと手続きをオブジェクトと呼ばれる一つのまとまりとして定義し、様々なオブジェクトを組み合わせて関連性や相互作用を記述していくことによりシステム全体を構築していく手法のことです。

オブジェクト指向の概念を具体例を用いて紹介します。ここで、スマートフォン向けのオセロゲームアプリを例に挙げます。

スマスマートフォン向けのオセロゲームアプリは、プレイヤーとコンピューターが操作する駒、さらには時間を計るタイマーなどの付随的なものも含めると多種多様なパーツによって構成されます。このようなゲーム開発は、これらを一括りにしてプログラミングを行っていくのが一般的です。

しかし、「オブジェクト指向」は、これらのゲームを構成するパーツの一つひとつを独立した「もの」として開発していきます。独立したものとして、開発されたそれぞれのパーツは単独で動作するだけでなく、それぞれを連携させることも可能になるため、より複雑な操作や演出をゲームに加えることができます。

ここで、オブジェクト指向の基本用語を紹介します。

オブジェクト(object)

オブジェクトは、オブジェクト指向の根本になります。オブジェクトとは「対象」「物」という意味で、プログラミングにおいてはデータと処理の集まりを意味しています。

オブジェクト指向で現実のもので例えると、このサイトを見ている人もオブジェクトであり、PCやスマホもオブジェクトだと言えます。人には「名前」や「性別」といったデータ(個体の情報)があり、何かを「見る」「聞く」「話す」といった処理を持っています。

クラス(class)

クラスとはオブジェクトの設計書で、オブジェクトの中のプロパティやメソッドをひとまとめにしたものになります。

例として、実際に作られた車はオブジェクトだが、車の設計図はクラスになります。

プロパティ(property)

オブジェクトが持っているデータのことをプロパティ(属性)と言います。

車の例では、車というオブジェクトは「メーカー」、「排気量」、「色」といったプロパティを持っていると言えます。データにはさまざまな種類があり、「速度」等といったオブジェクト状態を示すものもあります。

メソッド(method)

メソッド(操作)とは、オブジェクトが持っている処理になります。

車の例では、「走る」、「曲がる」「止まる」など、オブジェクトが何らかのアクションを起こす処理のことになります。

インスタンス化(instance)

インスタンスとは「実体」「事例」という意味で、プログラムでオブジェクトを実際に使う時に生み出されるものになります。設計図からオブジェクトを作ることをインスタンス化と呼ばれています。

カプセル化

オブジェクトが持つデータや処理のうち、別のオブジェクトから直接利用される必要のないものを隠すことであり、利用する場合は外部から操作するために作られた処理を設けることになります。プログラムが壊れにくくなり、大人数で開発をするときすべてのコードを認識する必要もなくなります。

継承

特定のオブジェクトの機能を引き継いで使うことを継承と言います。似たようなオブジェクトを複数作る際、全てのプロパティやメソッドをプログラミングするのは手間が掛かるが、継承を使うことにより、同じ機能を実装することができます。

クラスや継承という概念を利用して,ソフトウェアを部品化したり再利用することで,ソフトウェア開発の生産性向上を図る手法として,適切なものはどれか。
 ア. オブジェクト指向
    イ. 構造化
    ウ. プロセス中心アプローチ
    エ. プロトタイピング

出典:令和3年度 春期 ITパスポート試験公開問題 問41

◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。

  • ア(オブジェクト指向):正解です。「オブジェクト指向」とは、データと処理をまとめたクラスを定義して、ソフトウェア開発の生産性や保守性の向上を図る手法になります。
  • イ(構造化):「構造化」とは、コンピュータのプログラム上の手続きをいくつかの単位に分け、段階的に詳細化した構造で記述することです。
  • ウ(プロセス中心アプローチ):「プロセス中心アプローチ」とは、業務の処理手順に着目して、システム分析を実施する手法のことです。
  • エ(プロトタイピング):「プロトタイピング」とは、システム開発プロセスの早い段階でシステムの試作品をつくり、利用者にそのイメージを理解させ、承認を得ながら開発を進めていく開発モデルのことです。