受入れテストとは?
「受入れテスト」とは、情報システムの開発を外部に委託した場合に、その開発の最終段階で発注元側が完成したシステムの納品を受け付けるか否かを判定するための試験になります。なお、この試験に通過すると、開発は終了となり、納品および業務への導入、利用開始になります。
受入れテストは、実際に稼働可能なシステムが納品されたかどうかを検証するため、開発側ではなくシステムの発注者が実施するのが原則になります。
受入れテストの計画は、プロジェクトの初期の段階で作成することが理想になります。受入れテストの内容により、製品に求める最終的な形が明確にできるためです。受入れテストの終了基準に到達することを目指し、システムテスト、統合テストの計画を立てることを考えると、早期に受入れテスト計画を作成することが必要になります。
受入れテスト計画は、実際に利用するユーザーが作成するのが理想になります。しかし、不特定多数が利用するコンシューマ向けのアプリケーションなどでは、ユーザー各々のケースを網羅したテストを実施することが、不可能な場合が多くあります。そのため、実際は、ユーザーを代表する数人を集める対応が取られるのが一般的になります。
受入れテストに関する問題
納入されたソフトウェアの一連のテストの中で,開発を発注した利用者が主体となって実施するテストはどれか。
出典:令和2年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問36
ア. 受入れテスト
イ. 結合テスト
ウ. システムテスト
エ. 単体テスト
◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア(受入れテスト):正解です。「受入れテスト」は、利用者側が主体となって実施します。
- イ(結合テスト):「結合テスト」は、単体テストで動作が確認されたモジュールを結合させてモジュール間のインターフェイスが合っているか、結合した場合に正しく動作するかを確認するテストになります。開発者側で実施します。
- ウ(システムテスト):「システムテスト」は、システムとしての要件が満たされているか検証するために行われる総合的なテストになります。開発者側で実施します。
- エ(単体テスト):「単体テスト」は、プログラムがモジュール単位で正常に動作するか確認するテストになります。開発者側で実施します。
アジャイル開発とは?
「アジャイル(Agile)」とは、「素早い」「俊敏な」という意味であり、「アジャイル(Agile)開発」とは、システムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法の一つで、従来の大きな単位で区切ることはなく、小単位で実装とテストを繰り返し、開発を進める手法です。一般的に、従来の開発手法(ウォーターフォール開発)に比べ、開発期間が短縮されると言われています。
アジャイル開発の解説詳細は、以下リンク先にも記載がございます。類似の確認問題も出題しておりますので、是非、参照下さい。
アジャイル開発に関する問題
開発対象のソフトウェアを,比較的短い期間で開発できる小さな機能の単位に分割しておき,各機能の開発が終了するたびにそれをリリースすることを繰り返すことで,ソフトウェアを完成させる。一つの機能の開発終了時に,次の開発対象とする機能の優先順位や内容を見直すことで,ビジネス環境の変化や利用者からの要望に対して,迅速に対応できることに主眼を置く開発手法はどれか。
出典:令和2年度 秋期 ITパスポート試験公開問題 問37
ア. アジャイル
イ. ウォータフォール
ウ. 構造化
エ. リバースエンジニアリング
◆確認問題の解答(ア)、解説・・・各選択肢の解説は、次の通り。
- ア(アジャイル):正解です。「アジャイル開発」とは、顧客の要求に応じて、迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法の総称になります。
- イ(ウォータフォールモデル):「ウォータフォールモデル」とは、開発プロジェクトを時系列に「要求定義」「外部設計」「内部設計」「開発」「テスト」「運用」などの作業工程に分割し、開発を上流から下流に一方向に進める開発モデルになります。最初に仕様を固め、それに沿って全部を作り上げるため、要求の変化に柔軟に対応することは困難になります。
- ウ(構造化):「構造化」とは、コンピュータの実現すべき機能に注目して、ソフトウェアの構造を決定する開発手法のことです。
- エ(リバースエンジニアリング):「リバースエンジニアリング」とは、既存ソフトウェアの動作を解析するなどして、製品の構造を分析し、そこから製造方法や動作原理、設計図、ソースコードなどを調査する技法のことです。
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